まぁ……なんだ……
落ち込むなよ

翌日の学校で浩也はうなだれていた。
どうも通常運転だったらしい

なんでこうも上手くいかないんだろうね?

浩也

それ俺が先に言いたいやつだからね?

そんなことわかってるよ

そう言いながら落ち込む浩也を眺める。

こういう人間のことを不幸体質というのか?などと考えたが、どっちにしろ非科学的すぎる

悪かったと思ってるよ
帰りになんか寄り道していこう
お詫びにおごるから

浩也

いや、そこまではいいよ
お前のせいでフラれたわけじゃないし

どっちにしろだよ
暇だし行こうぜ

浩也

最初からそのつもりなんだろ?
そう言えよ

浩也が笑う。
やっぱりこいつは笑ってるほうが似合うんだよなぁ

浩也

なんだかんだで結構話しちゃったな

たまにはこうやってゆっくりするのもいいんじゃね?

浩也

ジジイかよ

他愛ない話をしながら家に向かって歩く。
あたりは暗くなってしまい、少し話込みすぎたかなぁなんて反省していた

すると不意に後ろから声がしたような気がした。
振り返ると、そこには一人の女性が立っていた。

そこのお二方、よろしいでしょうか?

浩也

なんでしょう?

フードとマスクで顔を隠していて不気味に赤い髪。
今思えば相手にせずに立ち去るべきだったんだろうと思う。

しかし、それができないほどに魅力的な女性だった。

助けていただきたいのです

助ける?
こんな石を投げたら当たるような高校生にできることなんですか?

人手がほしいのです
いえ、厳密には若い男の力がほしいのです。

浩也

男手が必要ってわけか
それなら大丈夫そうだし、手伝おうよ!

そうだな

この時には依頼主の怪しさなどは完全に忘れていた
そんな俺たちは浩也の一言によってこの謎の女性の手伝いをすることになった。

浩也の「大丈夫」が『フラグ』になっていることも気がつかずに……

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