どうして自分は生きているのだろう。
どうして瑞希は死んだのだろう。
最後にたどり着くのは運がいいか悪いかのどちらかだ。
自分で答えを出した時、いつのまにか駅前にいると自覚する。
そして隣にはなぜか秀俊先輩がいた。

気が付いたか?

えーと…

自分は家に帰宅していたはずだった。秀俊先輩と一緒にいるなんてそんなの気付いていない方がおかしい。
考えながら歩いていたはずなのに…。どうしてこうなった。

なんか、すみません

いいってことだよ。大丈夫だよ

しかも、せっかくお腹すいたからカフェにでも行って美味しい物を食べようよということでおごってもらった。
素敵な喫茶店である。カウンターにいた男性が秀俊先輩を見て声をかけてきた。知り合いらしい。

秀俊先輩が私を見つけたのは駅までもう少しというオフィスビル群のところだ。
環奈から私の様子が少し心配だということで連絡が入り、GPSで調べた結果秀俊先輩がちょうど近くにいたため保護したそうだ。

その…なんといかすいませんでした

考え事で駅前まで歩くなんてすごく集中していたんだね

まあ…

秀俊先輩が聞き上手であるため、話してしまった。自分が生きている意味、そして友達が死んだ理由。
答えがありそうでなさそうで、何回も考えてしまうという中毒症状な自分の気持ちを話す。

残された…か…

すべて心の中を話し終えると秀俊先輩はそういって黙った。秀俊先輩なりに何か考えているのだろう。
こんな難しい問題に付き合わせて申し訳ないと思った。

あ、そのごめんなさい。難しい話をして

そんなことないよ

えっ…

大事なことじゃん。そういうのって

笑顔で軽い秀俊先輩が熱くなっている。真剣な表情を見るのって初めてかも。
秀俊先輩はすぐにはっとなって謝ってきた。

ごめんね。つい熱くなって

いえ、その…

俺はそういうの答えられないけれど、一緒に考えてもいいかな。
俺もそういうことがあったから

大切な人を亡くしたこと…?

まあね…。そろそろ前進めよって言われていてうっとうしいのなんの

そして食後のジュースを飲みながら、人生について語り合った。
一緒に話し合ってよかったなあと思ったし、秀俊先輩の考えも面白いものだった。

喫茶店を出て、バス乗り場で別れる。
秀俊先輩に礼を言った。

ありがとうございました

また明日ね~

そして私は晴れた心で家に帰った。

ひーちゃん…

残された秀俊はかつての自分のあだ名を呼ばれて振り返る。
ひょこっと現れた忍を一瞥する。

しのちゃん…ついてきたのか?

暇だったから

秀俊は今は亡き彼女の妹である忍と一緒に帰った。

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