【35】試練7:赤と青の謎
オッサンは!?
生きていたのだろうか。
いや、生きていたってあの傷だ。
俺たちに気づかれないうちに
姿を隠すことなんてできない。
それに
隠れる必要もない。
と言うことは、
来栖さん、消えちゃった……?
と、言うことになる。
そんな馬鹿な。
あり得ない、とそう思いたい。
けれど実際に彼の姿はない。
そしてそれは、
時間を知る術(すべ)が
失われたことを意味している。
どうしたら……
沈み込む俺に、杏子は
暗号を探そう。
きっとこの部屋にもあるよ
それで正しい答えを見つけよう。
そうすればきっと鐘も鳴るって
と、そう言うと
壁やらテーブルの下やらを
探り始めた。
それからどのくらい
経ったのだろう。
かなり長い時間が過ぎたと思うが
やはり鐘は鳴らない。
そんな中で、
こっち来て!
杏子が俺を呼んだ。
あったのか!?
……うん
杏子の指さした先には
隠すようにして
時限爆弾のようなものがあった。
爆弾!?
あの
1本残して残りのコードを切れ、
というやつか!?
耳をすませば
かすかに規則正しい音が聞こえる。
鐘は鳴らないが
時間は着実に進んでいるらしい。
って、ペンチとかハサミとかないのか!?
それはいいのだが
肝心の
コードを切るものが見つからない。
そのかわり、
絡みまくった2本のコードと
意味不明な鍵穴が
爆弾につながれていた。
なんだこりゃ
あまりにぐちゃぐちゃな
コードの塊を前に
俺は解こうと手を伸ばす。
が、杏子がその手を制した。
待って!
それはそのままで解読したほうがいいと思う
なんで?
ほら見て。
ここのところなんて薔薇みたいに見えない?
杏子が指し示した箇所は
言われてみれば
薔薇を模しているように
見えなくもない。
自然にできる形じゃないでしょ?
これはコードには触るなって意味じゃないかと思うの。
薔薇だけじゃなくて全体のこの形から読み取れ、って
それにこの鍵穴。
これはきっとこの鍵を開けるか閉めるかが、コードを切るのと同じ役割になるってことなんじゃない?
鍵を……?
コードは2本。
残っている鍵は3本。
赤と青と銀。
コードの色からすれば
赤か青の2択。
しかし、
そう見せかけて銀という可能性だって
ないことはない。
その答えは、コードの中にある
■試練7
赤、青、銀のいずれかの鍵を使えば時限装置が止まります。
その色を答えてください。
A:赤の鍵
B:青の鍵
C:銀の鍵