…………

カンナ

……どうしたの?

今夜狙われるのはどっちかなと思ってさ
多分……私か、一ノ瀬さんだと思う

カンナ

……やっぱり、そうなるよね?

夕方。
私と一ノ瀬さんは私の部屋にいた。
まだ夜にはなっていない。話題は今晩の噛む先。
恐らくは……私か、一ノ瀬さんの二択。
ゲームは続いている。
ということは、二木さんは狂人だ。
狼はまだ潜伏している。
このことが、あのリアル狂人が霊能者である証拠。
それすら計算に入れていたようにニタリと邪悪に嗤っていた七河さん。
あの人は……本当に恐ろしい。
ただ狂っているだけならまだマシだった。
七河さんは愉しむ為なら人だって殺す。
そんな殺人狂と大して変わらない。

周防さんが今夜、誰を守るかをあの人と相談しているって
……危ないから私たちを近づけさせたくないって言ってた

カンナ

……うん、分かった

真剣な表情で何かを書き足す一ノ瀬さん。
現在周防さんは七河さんと会談中。
私達を遠ざけるために一人でいっている。

私は今夜は……
そうだね、十文字さんを占うよ
この際、誰でもいい

流れとしては有利だね
狂人も狼も一人いない
悪くないよ

カンナ

でも……油断はできない
また、死んじゃうかもしれない

カンナ

私は占う先……九重さんがいいと思う
一度、暴走してるし

そうか。七河さんのインパクトで忘れていた。
窮地に陥ると暴走している九重さん見といたほうがいいか。
ならば、今夜は九重さんを見ることにする。
戻ってきた周防さんにその旨を伝えることとして。

じゃあ、また明日ね一ノ瀬さん

カンナ

うん……また、明日……

そう言って、今日は別れた。
大丈夫、周防さんを頼ろう。
私は私のできることをする。
明日も、私たちは会えるはずだから。

リン

あら、早いのね

十文字さん……

翌朝。
一番に談話室に行ったと思っていた私を出迎えたのは、十文字さんだった。

リン

おはよう金島
……まだ、生きていて何よりよ

お、おはよ……

……安心するな。
この人はまだグレーなのだ。
余計な言動は自滅につながる。
況してや私は占い師だ。
ここで死なれたら、みんなに……。

リン

はぁ……
グレーとはいえ、警戒されたもんね

十文字さんは私を見てなんとも言えない顔でぼやく。
肩を竦めて、言った。

リン

大丈夫よ
私は村人だからね
そう警戒しなくても

リン

残った黒は狼だけよ
狂人は死んでる、片方も死んでる
私が狼なら周りから殺している
あなたはどうせ守られているから

……

占い師の周りから殺す。
それは精神的に追い詰めて自滅を狙う戦法だろうか?
だとしたら、私には非常に有効だろう。
今の私は二人に支えられている身。
もしも二人が死んだら……ダメージは入る。

リン

仲良さそうだったものね金島
一ノ瀬と周防とは
心配してるんでしょ?
まあ、一ノ瀬は生きてると思うわ
あの子は確定白とは言えない
偽物が占った結果だからね
確定白なのはあの女の方よ

…………

リン

私が狙うなら、霊能者の方ね
アレは狼のメンタルまでダメージあるし
狙い目なら、向こうでしょ

彼女は私を心配しているのだろうか?
随分と饒舌になって推理を披露している。
本当に村人なのだろうか?

リン

金島、混乱してない?
私は推理系の話をよく読むから、参考になればと思って提言したまでよ

えっ? 提言?

リン

そこまで疑っていたの?
流石にショックなんだけど

私は信じているのは二人だけだ。
他の人はあまり信用していない。
七河さんは一応信用しているのは結果があるからだ。
それすらない人は信じないようにしている。

リン

私って、口悪いからな……
信じてもらえないのは仕方ないけど
あぁ、自分が恨めしい……

あれ、凄い凹んでる。
落ち込んじゃったみたい十文字さん。
ソファーの上で膝を抱えてしまった。

…………

リン

……

なんか顔怖い。声かけづらい。
なので放置することにした。
皆が集まるまで、しばらくかかりそうだった……。

アスミ

フォックスダアァアアアイ!!

アスミ

イイッヤッホォ!!

呪殺……

この日の結果。
私が占った九重さんは部屋で死んでいたという。
夜襲われた人はいない。無事だった。
だけど、その代わりのように狐が死んだ。
私が殺したのだ。

また村人に有利になったわね
悪くないわ

カンナ

うん、すごく有利……

……二人の言うとおり、すごく有利になった。
でもやっぱり、気分は悪い。
一ノ瀬さんの進言通りにしたら狐が死んだ。
私が……。

アスミ

今日は十文Gだ!!

リン

お断りよっ!!

……

進んでいく話の中、今日の追放者がまた決まる。
もう少しだ。もう少しの辛抱だ。
だから……この程度で怯むな私。
最後まで、戦うんだ!

pagetop