▼Sheep7.Impulsive Sheep

ホッカ

つまり、あなたは無駄にオオカミを殺しすぎなのよ。

睡魔

撲滅を目指すため、日々の積み重ねだったんだ…無駄じゃない。

ホッカ

それが無駄だって言うのよ。

睡魔

・・・・。

ホッカ

たしかに、オオカミは獲物を見つければ問答無用で襲い掛かってくる。正当防衛の末、始末するのは勝手だけど、あなたはそうじゃないでしょ。

睡魔

・・・・。

ホッカ

あなたのバイオリンは、オオカミを誘い出すための道具なの?

睡魔

それは・・・。

ホッカ

違うって言って。

睡魔

・・・・。

???

メーイ、メーイ、郵便屋!あっしはお手紙届ける白ヤギさ♪

ホッカ

あら?

睡魔

白ヤギ郵便局のやつか。

白ヤギの郵便屋

羊の睡魔さんっすねー?あなた宛に二通お届けでーす。

睡魔

ご苦労、たしかに受け取った。

白ヤギの郵便屋

はーい、たしかにー。それじゃ、あっしはこれにて失礼ー

睡魔

待て郵便屋。

白ヤギの郵便屋

おいおい、なんざんしょ?

睡魔

ここ最近オオカミの動きが活発だ、気をつけろ。

白ヤギの郵便屋

ご忠告ど~もー、まあーオオカミが怖くて郵便屋やってられるかってんでー。

睡魔

ひょろひょろしてて危なっかしいヤギだな。

ホッカ

あの子なら大丈夫よ、指定区域配達員じゃないもの。

睡魔

追尾配達員なのか、信じられん。

ホッカ

現に今さっき、この区分されていない林道で手紙を届けてもらったじゃない。

睡魔

…たしかに、そういうことだな。

ホッカ

それで、その手紙誰からなの?

睡魔

・・・・。

ホッカ

あらら~?愛しい姪っ子ちゃんからじゃないのー??

睡魔

…これは後で読む!

ホッカ

ええ?いいけど、あとで私にも見せて。

睡魔

何でだ!!

ホッカ

いいじゃなーい、ちょっとだけよ♪

睡魔

だ、だめだ!大体、なんで君に見せねばならない…!

ホッカ

私だってあの子には、なかなか会えないし~元気かどうか知りたいのよう。

睡魔

元気かどうかなど、俺だけが知っていればいい!

ホッカ

もう頑固なんだから。分かったわよ、見せてくれたら…今夜、その固くなったあなたの体ほぐしてあげる…どう?

睡魔

?!

ホッカ

ねえ、いいでしょう?

睡魔

何を言ってるんだ君は!駄目といったら駄目だ!!

ホッカ

けち。

睡魔

ホッカ…、君は最近クランキーに似てきてるぞ。

ホッカ

やめてちょうだい、全然笑えない。

睡魔

もう一通は、…ヤギの村からか?

ホッカ

どんな内容なの?

 

睡魔さんへ

初めまして、僕はヤギの草太っていいます。
突然ですが、僕のママは病気でいつも寝ています。
僕は、病気で苦しんでいるママに何かしてあげたいと思い考えていたら、バイオリンという楽器を弾く羊さんがいるという噂を聞いたんです。
すごく綺麗な音で動物たちを癒すって聞いたひとたちは言っていて、僕は思ったんです。
ママに睡魔さんのバイオリンを聞かせてあげたいって、なのでお願いです、もしよければヤギの村に来てください。待ってます。

ヤギの草太より。

睡魔

・・・・。

ホッカ

…子ヤギからの手紙みたいね?

睡魔

・・・・。

ホッカ

可哀そうだけど…子供じゃ、あなたを呼べるほどの報酬は払えないわね。

睡魔

報酬なんぞ貰ってない。

ホッカ

え?

睡魔

コンサートはボランティアだ、報酬は貰ってない。

ホッカ

え?

睡魔

何度も言わせるな、報酬は、貰っていない。

ホッカ

Noooooooo!!!!way!!!!?ノーギャラですって!?嘘でしょ!?

睡魔

何をそんなに驚くことがある、元々バイオリンは趣味で始めたものだ。

ホッカ

驚くに決まってるでしょ!?報酬も出ないのに、ただバイオリンを弾きにとび回ってるっていうの?!

睡魔

君みたいな営利主義ではないのでな。

ホッカ

何?その言い方、私が悪いみたい。

睡魔

そうは言ってない。

ホッカ

いいわ、でもそれで報酬を貰ってないなら、あなたの稼ぎはどこからきてるの?

睡魔

言うまでもない、俺の本業はオオカミの討伐だ。

ホッカ

そっちが趣味じゃないの?

睡魔

・・・・。

ホッカ

呆れた、この話は後にしましょ。それで、ヤギの子に会いに行くの?

睡魔

特に予定もなければ、断る理由もない。

ホッカ

何の得もなさそうだけど、しばらくはあなたの傍にいるって決めたし…一緒に行くわ。

睡魔

無理するな、嫌ならついてこなくていい。

ホッカ

無理してない、あなたが心配だからついていくのよ!

睡魔

・・・・。

ホッカ

それにしても、クランキーったら何処へ行ったのかしら?

睡魔

奴の話はするな、いないほうが平和だ。

ホッカ

そうね、ふらっといなくなるのはいつものことだし…あら?

睡魔

どうした?

ホッカ

睡魔、あれ…!

睡魔

ホッカ

ヤギがオオカミに追われてるわ…!

睡魔

ホッカ

睡魔!

???

あははっ!つかまえてごらーん!!

まてまてーっ!がうがう!

???

あははっ!あはは…、?

睡魔

…お前が永眠するまでの羊の数を数えてやる…

???

…っ!?

だ、だれだお前え!やっやめろー!がうー!!

睡魔

黙れオオカミ…!!

ホッカ

待って!!睡魔!!

睡魔

ホッカ

…よく見て、子供よ…!

睡魔

・・・・。

???

・・・・。

うううう~!

ホッカ

怖がらせて、ごめんね。大丈夫、何もしないから…

うるせえ!ババア近づくんじゃねえ!!

ホッカ

睡魔

・・・・。

ホッカ

駄目じゃないお嬢ちゃん、そんな汚い言葉を使っちゃ♪…ね?

ぎゃわ…!?

睡魔

ホッカ?

ホッカ

ねえ、君たちは一体何をしてたの?

???

え…?た、ただ遊んでただけだよっ?ね?

そうだぞ!追いかけっこしてたら、そこのジジイがいきなり来やがって!

ホッカ

遊んでたの?ふたりで?坊やはヤギで、お嬢ちゃんはオオカミよね…?

だったらなんだよ!

???

僕たち友達なんだ。

睡魔

・・・・馬鹿な。

ホッカ

そうなの…けど、パパとママは?あなた達の事知ってるの?

???

知らないと思う。

別に言う必要もねえだろ?友達出来たら一々親に言うのかよ!

ホッカ

それは…ねえ、睡魔?

???

睡魔さん?

ホッカ

え?ええ、この羊が睡魔よ?

睡魔

???

おじさんが睡魔さん?!僕、おじさんに手紙を出したんだ!

睡魔

…もしや、ヤギの草太か?

草太

うん!僕がヤギの草太だよ!!良かったあ来てくれたんだ!

睡魔

・・・・。

なんだあ草太、このジジイと知り合いだったのかー?

草太

ううん!初めてあったひとだよ?だけど、有名なバイオリニストだって聞いたから名前だけしってたんだあ!

ふーん。

睡魔

・・・・。

しけた面だな!

睡魔

・・・・。

ホッカ

駄目よ睡魔!相手は子供…!

あたい、もう帰るぜ草太!あんたも、そこのジジイに用があんだろー?

草太

あ!うん、また今度遊ぼうね!

睡魔

待ておおか…!

ホッカ

睡魔!

睡魔

・・・・!

ホッカ

・・・・。

睡魔

ホッカ

ねえ、おじょうちゃん。帰る前に少しだけいい?

あー?んだよ。

ホッカ

両親や、仲間の狼に草太くんのことは話してないのよね?

言ってねーけど、それがなんだよ。

ホッカ

なら、いいの。そのまま絶対に誰にも言っちゃだめ。

なんで!あんたの言うこと聞かなくちゃ…!

ホッカ

いいから約束して、草太くんを守るためなの分かるでしょ?

あたいの家族が、草太を食べるっていいたいのかよ!?

ホッカ

そうよ、食べないって言いきれる?

草太はヤギだけど、あたいの友達だぜ!?友達だってちゃんと言えば…!

ホッカ

分かってもらえるって確証はないわ、草太くんを失いたくないなら黙ってることよ。

・・・・。

ホッカ

ね?

分かったよ…。

ホッカ

いい子。

睡魔

・・・・。

ホッカ

・・・・。

睡魔

…ホッカ。

ホッカ

正直、あのお嬢ちゃんと草太くんが繋がっている時点で不安は拭えない…。

睡魔

だったら…!

ホッカ

オオカミとはいえ、あなたに子供を殺してほしくないのよ!

睡魔

・・・・。

草太

どうしたの?さっきから何のお話してるの?

ホッカ

あ、いえ何でもないの。ごめんなさい、たしか睡魔に用があるのよね?

草太

うん!睡魔さんの演奏をママに聞かせたくって!

睡魔

・・・・。

ホッカ

そう、ちょうどあなたの村へ行くところだったのよ?ね、睡魔。

睡魔

…ああ、そうだ。

草太

やっぱりそうなんだ!ありがとう睡魔さん!!

睡魔

感謝されるほどのことはしてない。

ホッカ

・・・・。

草太

それじゃあ、さっそく村に行こうよ!案内するからー!

睡魔

おい、走るな。

 

To be continued.

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