【17】真実の扉
さて、今度のはわかるか? 少年
わかるよなー、迷路なんか小学生の頃からやってるだろ?
まぁね。教えてしんぜよう
よぉし! 拝聴しようじゃないか
俺はオッサンを見下ろし、
それから樽の群れに目を向けた。
まず、この迷路は樽と、途中にある薔薇の花で作られている。
で、実際に通ってみればわかるんだけど、この迷路はそのままじゃ出口には辿りつけない
オッサンのほうにある暗号「花を摘もう。姫に捧げる花を一輪」。
これから、迷路の中に落ちている花を1輪だけ取り除いてもいい、って解釈ができる
取り除いた箇所は通れるようになる。
これで4つの出口とも行くことは可能になった
でも4つとも正解じゃない。
この中から正解の出口はひとつだけ
そこで俺のほうにある暗号が役に立つ
この文から見ると、「ねたむ心」だけが求めに応じる――正解への道を通してくれる、と考えられる
で、ねたむ心ってのはなにか。
これは少し前にキリオが言ったよな
黄色い薔薇の花言葉は嫉妬だったな