8月31日・・・

今までは一年の中で一番嫌な日だったけど、
今年はちょっと違う。

今年の8月31日。
あたしは初めて自分から好きな人に告白をすることにした!

相手は秋山君。予備校でいつも隣に座ってる、
秀才のくせにオシャレでさわやかな子だ!

夏目 沙織

ねえ・・・秋山君さ。ここ分かる?

秋山 駿吾

ああこれ・・・。これはね・・・

秋山君はうちの学校のガリ勉ども
とは違い、穏やかで決して人をバカにしたりはしない!

秋山 駿吾

ここはこの公式を使ってだね・・・

自分も受験で大変なときなのに、いつもバカなあたしの質問に最後まで付き合ってくれる!

夏目 沙織  

なるほど・・ここのところがポイントだったのね!

秋山 駿吾

確かにここ、途中の式が難しいよね

受験生には夏休みが一番大切なのはよく分かってる!
目指す大学のレベルがはるかに違うことも・・・

それでも、この気持ち・・・伝えずにはいられない!
受験から逃げたくて言ってるんじゃなくて
本当に好きなんだから・・・

そして8月31日!
ついに運命の日がやってきた!!

夏目 沙織  

今日で夏期講習もおしまいね!

秋山 駿吾

そうだね!夏休みが終わったら、いよいよ受験も間近って感じだよね

夏目 沙織

でも、あたしこの夏休み、秋山君のおかげでずいぶん成績が上がったわ!本当にありがとう!

秋山 駿吾

いえいえ。僕は何にもしてないよ!夏目さんが一生懸命頑張ったからだよ

夏目 沙織  

それでね・・・秋山君、この後ちょっと時間ある?

秋山 駿吾

特に予定ないから大丈夫だよ?何か分からないところあるの?

夏目 沙織  

いや・・・そうじゃなくて・・・ちょっとのどが渇いちゃったから、近くでお茶でもと思って・・・

秋山 駿吾

なんだそうだったの!いいよ!僕もちょうど甘いものが食べたいと思っていたところだったんだ!

とりあえず、近くのカフェに誘うところまではうまくいった!後は告白を実行に移すだけだ!

あたしは、作戦通り秋山君を予備校近くのカフェに連れ出した。ここまでの流れは、頭の中でなんどもシミュレーションしたとおりだ。

夏目 沙織

ここのチーズケーキ、とっても美味しいの!

秋山 駿吾

そうなんだ!こんなところにお店があるなんて知らなかったよ

夏目 沙織

確かにここ、少し気づきにくい場所にあるよね

ほどなく、チーズケーキセットが運ばれてきた!

秋山 駿吾

うわあ、本当に美味しそう!いただきます!

夏目 沙織

本当ね!いただきます!

秋山 駿吾

うはあ~っ!たまらないね!この甘さ!

夏目 沙織

よし!今がチャンスだわ!

夏目 沙織

あの・・・秋山君、突然で悪いんだけど・・・

夏目 沙織

好きです!付き合ってください!

秋山 駿吾

えっ・・・

秋山君は、そういったきり黙りこくってしまった・・・。

夏目 沙織

いったいどういうつもりなの・・・

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