……そんな馬鹿な。
何でこうなったの？
わからないよ、どうして私が死ぬの？
ちょと待って！？
何でいきなり私を殺す方向性になってるの！？
……そんな馬鹿な。
何でこうなったの？
わからないよ、どうして私が死ぬの？
訳が分からないよ！！
やれと言われたんだ
従うしかあるまい……
やりたくてやっている人間がいると思うか？
そうだけど……そうだけど！！
だからってなんで私なの！？
やっぱりだ。やっぱりこうなった。
この先、何となく結末が見えた。
私は……私が……！
仕方ないでしょう……
こうしなきゃ、死ぬのよ！！
だからって……どうして、私なの？
……私達は、囚われの身。
強いられたデスゲーム。
その中で、誰かを殺さないと自分が死ぬ。
私は、皆に選ばれた生贄羊。
有罪でも無罪でも変わりない。
私は、これから皆に殺される。
それが、人狼ゲーム。
理由は……ないのでありますっ！！
ですが、旭殿が嫌がるのも道理！！
それがサダメだというのであれば……
自分もッ！！
自分も共に死ぬのでありますッ！！
馬鹿かお前っ！？
うつけで結構！
自分は罪なき婦人を殺せんであります！
自分は見知らぬ婦人を殺すぐらいならば、己を殺すであります！
でも、私が死ぬのに変わりはないんだね。
仕方ない、けどさ……。
わかっちゃいるんだ。何処かで。
諦めはついている。気がする。
だって、選ばれたら最後、抵抗しようもないから。
…………
旭殿、死ぬのが恐ろしいのはわかるであります
ですが……ここで皆と共に共倒れしては……
分かってるよ……言っても無駄だよね
私は何もなくても、もう決定事項だし……
分かった……もう、諦めるよ……
無駄だって、知ってる気がするから……
知ってる。
この光景、この瞬間。
何処かで、私は経験している。
覆らない数の暴力。
抗えない謗りの声。
私に、今回はそれが向いたんだね。
これは決定事項。もう、引っ繰り返ることはない。
おい……
彼女は本当に違うんじゃないのか？
諦めてしまったぞ……？
だとしても、もう結果は覆らないね
早く死ぬなら死んでよ、五月蝿いな
そういう言い方どうだと思うけど……
あんた、罪悪感ないわけ？
あたしらが殺したようなもんじゃん
……ごめんなさい……金島さん
みんなに謝られた。
……いいよ。謝らなくても。
運がなかったんだ。私は、ここでオシマイ。
そういう顔をされると、諦められなくなっちゃう。
…………
こういう……ゲームだから
今更、だよ……？
一ノ瀬さんが、私を見てそう言う。
こういうゲームだから？ 今更？
それはどういう……？
あぐっ！？
突然、私は背後から硬いもので頭を殴られた。
俯せに倒れてしまった。
激しく痛む頭を押さえて、見上げると……。
すぐに楽にしてあげる
苦しまくてもいいから
『次』に頑張ればいい
今は、ゆっくりと休んで
……お疲れ様
うぁああああっ！？
優しげな言葉とは対象に、私に暴力を振るう周防さんの姿だった。
馬乗りになって、殴られる私。
痛いよ……。すごく痛い……。
抵抗できないように首を絞めながら殴る。
少しは暴れていても、慣れた様子で封じられて一方的にやられる。
挙句には刃物まで取り出して私を殺そうとしてくる。
大丈夫、『次』は私も味方だから
ぃたい……いたぃよぉ……
本当にごめんなさい
銃でもあれば、楽に殺せたんだけど
手持ちがこれしかなくて……
早めに決着を付けてそっちに戻る
わからないことばかりでしょう？
説明は後でするわ
これも一つの展開なの
許してとは言わない
ただ、今は早く殺されて
抵抗すると、痛みが増すわ
せめてもの優しさよ
わたしに出来る、せめてもの
大丈夫
あなたのこと、忘れない
何があっても、絶対に
周防さんは小声でよくわからないことを言いながらまだ続ける。
痛みで次第に視界がゆがんできた……。
痛みも……鈍くなってきた。
あぁ、これで……死ぬのかな、私……。
恨んでくれていいわ
ここでわたしはあなたを殺す
でも、殺すというのは生かす一種の表明
また後でね、金島さん
うぅ……死にたく……ないょ……
幾度となく訪れる結末の一つよ
慣れておいたほうが……身の為よ
じゃあ、お疲れ様
