【8】第2の試練:剥製の謎








【ご注意】

試練2の正解答はストーリー展開上、無理矢理感の強いものになっております。ご了承下さい。






















来栖 康青

さて、と。
それじゃ探しますか

来栖 康青

くれぐれもホールから外には出ないこと。
なにか見つけたら皆を呼ぶこと。

深見 美登里

引率の先生みたいね

来栖 康青

ははは。
教員免許とっとけばよかったかな





「きっとなんとかなる」という
前向きな空気の中、
俺たちは
ホールの中で手かがりを探し始めた。





























円形ホールの中央には
巨大電球のようなデザインの
シャンデリアがぶら下がっている。

取り囲む柱の奥には
ステンドグラスに飾られた
窓が見える。





遮るものが柱くらいしかないけれど
広いせいだろうか。

方々に散った
他の5人の姿は見えず、
時折
壁に跳ね返るようにして
物音が聞こえてくる。































剣持 朱梨

しっかし何処も彼処も天井が高ぇな


なんとはなしに俺と杏子は
一緒に行動している。




単独行動は避けろと
言われたからじゃないけれど
話し相手がいるのは
結構心強い。

小鳥遊 杏子

お城みたいだよね

剣持 朱梨

けどさ、あの天井になんか書いてあったって見えねぇよ?



キリオのおかげで心は軽くなったけれど
暗号はまだ見つからない。




この前向きな雰囲気は
今だけのものだ。

本当は皆、
「このまま出られなかったらどうしよう」
「もし殺されたらどうしよう」
なんていう漠然とした不安を
抱えたままでいる。









このままなにも
見つけることができなかったら、

小鳥遊 杏子

それは大丈夫よ。
来栖さんが言ってたじゃない。
暗号を出してくる人は「あたしたちに暗号を解かせること」が目的なんだから

小鳥遊 杏子

解けないところに暗号を置いたりしないわ


そんな俺の不安を見透かしたように
杏子は笑う。


剣持 朱梨

そんな親切な奴だったら、俺らをこんなところに閉じ込めたりしないと思うんですけどねぇ



変だな。
「楽観的すぎる」のは
俺の専売特許だったはずなのに。


























小鳥遊 杏子

あ、ほら見て朱梨。
あの壁、剥製がいっぱい



杏子の指し示すほうを見ると、


ホールの一角で
7体の動物がじっとこっちを見ていた。


小鳥遊 杏子

あんなにあると怖いわね

剣持 朱梨

夜中に動いてたりしてな



そんな映画を
何年か前に見た覚えがある。



ここに来たであろう今日か昨日のことは
憶えていないのに
数年前のことを憶えているというのも
奇妙な話だ。









剣持 朱梨

……杏子?

小鳥遊 杏子

ねぇ、あの剥製……怪しくない?

剣持 朱梨

……へ?



俺たちは剥製に近づいた。


並んでいる剥製は
海のもの、山のものが混在している。



まず先ほどの
「鳥」と「狼」。

それから「リス」「虎」「ウサギ」。




「チワワ」……だと思うけど
愛玩動物的な犬。






「サメ」。






剣持 朱梨

無節操な取り合わせだな

鳥から兎まではまだしも、
サメってなんだ、サメって。

こんなもの
水族館ぐらいでしか見ねぇぞ?

小鳥遊 杏子

でも一応は哺乳類よ?

剣持 朱梨

だからなに

剣持 朱梨

鳥類が混じってるのはどう説明するわけ?






それにしても
こんなところに剥製を
飾っておくなんて不自然だ。

壁に飾るにしたって
せいぜい鹿の頭だろう。


館の主に
狩猟の趣味があるのかは知らないが
それにしても並べすぎているし、

剣持 朱梨

ひとりでサメ狩ったら、そりゃあ飾りたくなるかもしれねぇけどさ

応接間や廊下など
他の場所に一切飾られていなかったのに
ここにだけ集めてあるのもおかしい。








小鳥遊 杏子

見て! なにか書いてある

剣持 朱梨

説明書きかと思ったら、なんだこりゃ

剣持 朱梨

騎士ではないもの……?











■試練2

この剥製の中で「騎士ではない」と言われている動物がいます。
それは何でしょう。


A:サメ


B:鳥

C:狼


D:虎








【8】第2の試練:剥製の謎

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