クリエよ……
……ここはどこ?
うぅ…………
え?
うぅぅぅぅっ…………
あの人は……
そうだ。先ほどまで君の首を絞めていた者だ
そしてこの男も、CS移植手術の被害者だ
この人も……?
ああ。だが、彼は私達ほど良い関係を築けなかったみたいだな
彼の自我は殆ど消滅している。CSに浸食され、外部からの命令に身を任せるだけの……いわば抜け殻に等しい状態だ
…………っ
じゃあ、私が命令すればいいってこと?
だが、普通に声をかけてもあのお嬢様に上書きされるだけだ。それでは彼の精神が消耗するだけで意味がない
今は、彼が君の首に指を触れさせてるおかげで彼と繋がれてる。君が精神を通じて、逃がすように命じるんだ
……なんかもう、何でもありだね
やかましいっ
うぅっ…………
…………あれ?
寒い……苦しい…………っ
この声…………聞き覚えがある…………
確か……孤児院で…………
助けて……クリエ姉…………っ
間違いない……
…………カイメン?
…………っ
クリエ……姉……?
やっぱり……
クネート・グミ孤児院で、私が面倒見ていた男の子だ…………
クリエ姉……どこにいるの……
ここにいるよ……カイメン……
クリエ姉…………
ごめんね……首絞めちゃって……
ううん、大丈夫だよ
クリエ姉……お願い。僕を止めて…………
……え?
…………いや
逃げてほしい…………
……うん。だからカイメンお願い、力を――
この国から…………
えっ……?
クリエよ……
時間がない。旧交を温めるのは結構だが、今は後回しにしてくれ。早く彼に命令を
う、うん……
ごめんね、カイメン。私のお願い、聞いてくれる?
……うん
私が、屋敷から逃げる手助けをしてほしい
そして――――――――
……分かった。必ず成し遂げるよ
……ごめんね。私だけ逃げるみたいになって
いいよ……またこうしてクリエ姉と会えたんだから。僕も頑張る
だから、今は寒くないんだ…………
カイメン…………
またね、クリエ姉
…………
カイメン……
キーファーさん、さっきからどうしましたの?
…………う
う?
ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!