朝霧高校防衛隊というプレートが掲げられているとある一室。
桐子と詩音はリーダーと木原悠月に続いて入った。

野川 詩音

何だろう、ここの部屋

異常にかっこいいというか、ここって本当に学校の中だろうか

場所はけっこう歩いたところだ。
朝霧高校は新校舎と旧校舎がある。ここはたぶん、旧校舎。
新校舎の裏にあり、少し距離があり歩くのが億劫である。
旧校舎といっても古いわけでもない。新校舎と変わらない。

驚いているようだね。このエレガントな空間に慣れないのは無理ないよね

この豪華な空間は気品あふれるリーダーのためにあるのではないだろうかと二人は思った。
不良校である朝霧高校には似合わないだろうなと思った。立ち振る舞いもかっこいいし、貴族と言ってもいいというくらいだ。

おお、きーちゃんとしーちゃんじゃないか

野川 詩音

なれなれしい呼び方するなんて気持ち悪い。そもそもそんな呼び方を許可した覚えなんてないわ。

ああ、詩音がお怒りでいらっしゃる

桐子は詩音が怒らないことを祈って、案内された椅子に座る。
秀俊先輩と顔を合わせたくないだろうと思って、桐子は秀俊先輩の真向かいに座った。

えーっと、もう一人いましたよね

木原 悠月

颯太か。たぶんジュースを買いに行っているだろうね

そう言っていると、腕にたくさんのパンを抱えた颯太がやってきた。防衛隊、そして桐子と詩音の分を階に行っていたという。
桐子と詩音はイチゴクリームサンドを頂いた。

それで、話とは

桐子が促すと、リーダーは手を止めて忘れていたと言い出した。

私としたことが、いつもの癖でティータイムをするところだったよ

木原 悠月

君たちのことについていろいろ聞きたくてね

野川 詩音

聞きたいことですか?何でしょう

詩音は少し警戒をしてみんなを見渡す。
桐子も警戒を緩めずに、リーダーが出してくれた紅茶に口を付けた。リンゴの味がする。

ああ、そういえば桐子さんと詩音さんとは初対面なのに名を名乗ってなかったね。
私は薄墨潤。よろしくね

よろしくお願いします

野川 詩音

よろしくお願いします

詩音は潤があまりにもマイペースであり、のほほんとしていることにいら立っていた。
昼休みもあと5分で終わるのだ。早くここを出て授業を受けたかった。

野川 詩音

あの、もうすぐ授業が始まるので後にしませんか?

と提案してみたが、その案は却下された。
潤が今すぐ確認したいと帰す気はないと言ったのだ。

入学式をサボった人が真面目に授業を受けるとは私は思わないね。君たちが普通の人ではないことを知っているものでね

と、声を低くして指摘してきたのだ。
桐子と詩音は事実なので返す言葉がないと黙った。
ひそひそと次はどう切り出すかと相談した。

野川 詩音

ここは、逃げるか

どうやって?

野川 詩音

紅茶をぶっかけていけばいいんじゃない?

と、まだたっぷり入っているあつあつの紅茶のカップを持ち上げたので、桐子は全力で止めた。
さすがに失礼だ。
紅茶をせっかく出してくれたのだ。
瞳子はここはおとなしく話をしようということで授業をサボることにした。
ちなみに、授業風景はタブレット端末にて配信されており録画も可能であるためサボっても問題はない。
桐子は本当はここから逃げ出したかったが、仕方なく防衛隊の部屋におじゃますることにした。
だって、まだ紅茶をすべて飲み干してないもの.

さて、始めましょう。お茶会を

桐子と詩音は防衛隊リーダー、薄墨潤によるお茶会という名の元の取り調べが始まった。

紅茶を最後までしっかりと味わいましょう

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