姫宮 愛沙

はいはい! 私良い事思いついた!

重苦しい空気の中、姫宮が空気の読めない気の抜けた声を上げた。

小柳 真

何だ姫宮? 言ってみろ

姫宮 愛沙

あのね、ダイイングメッセージに『白』って書いてあるから、ホワイトに聞けばいいんだよ!

矢野 樹理

私も賛成。木の下の下を五十音順に当てはめると『け』になるから、白い毛のホワイトが鍵なんだよ

生徒会長

……真

小柳 真

……やってみろ

姫宮 愛沙

よし! ホワイト、脅迫文はどこ?

矢野 樹理

教えてくれないかなホワイトちゃん?

ホワイト

ワンワンワンワンワン!

姫宮 愛沙

あ!? ほら何か言ってるよ

矢野 樹理

ふむふむ。犯人が持ってるって言ってるね。よし、愛沙ちゃん。一緒に犯人を探しに行こう!

彼女らは、そう言って颯爽と部屋の外へ駆けて行った。

東條 夕日

……大丈夫なのか?

小柳 真

……ああ。いつもの事だ

神嶋 伸也

いつの間にか立夏もいないし。僕もちょっと眠れる場所を探しに行ってくるよ

東條 夕日

本当に大丈夫なのか?

生徒会長

これもいつものことなのよ。結局真面目に解くのは真と私の二人だけよ

東條 夕日

何処か近くに佐藤もいるみたいだな

草野 志保(秘書)

あの……あちらで眼帯の女の子が叫び回っているのですが、放っておいてもよろしいのでしょうか?

そこに、佐藤の声を聞いて心配した女性が事件のあった部屋にやって来た。

渋谷

ああ、その子なら大丈夫です。それより秘書さん、このダイイングメッセージについて、本当に思い当たることはないんですね

小柳 真

秘書、というのは、被害者の秘書か?

渋谷

ああそうだ。お前たちはまだ会っていなかったな。こちら、殺されたこのホールの館長の秘書の草野志保(くさの しほ)さんだ

草野 志保(秘書)

どうも。館長の秘書をやっていた草野志保です。それで刑事さん。さっきの眼帯の子のおかげで思い出したことがあるんですが……

渋谷

本当ですか? そりゃあ良かった。でしたら、こいつらにも一緒にお願いします

……佐藤もこんなところで役に立っていたようだ。

草野 志保(秘書)

メモのことですが、依然館長が木の下の下を、『木の下』の下と区切って書いていた思い出しました

東條 夕日

つまり、矢野の『け』のアイデアは見当違いだったってことだな

草野 志保(秘書)

それと、今回の事件と関係あるかは分かりませんが、金庫の暗証番号は同じ数字の羅列だって言ってたことがありました

生徒会長

その時何桁かは言ってなかったの?

草野 志保(秘書)

ええ、そこまでは

小柳 真

ところで、俺たちはまだ被害者の身元も、凶器や容疑者、それに彼らの動機など何も聞いていないんだが

上条警部

それなら隣の部屋に行くといい。やつら、そこで行儀よく待っているはずだからな。遺体もそこにある。知りたいことがあれば渋谷にでも聞け

渋谷

遺体には、もう一つのダイイングメッセージが刻まれていたよ。そっちも一緒に見てもらおうか

小柳 真

それじゃあ、行くとするか

そうして俺たちは隣の部屋へ向かった。

* * * * *

こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。

本当は容疑者のところまでいきたかったのですが、課題に追われているので、メモのヒントを秘書さんに教えてもらいました。

なので、今回は出てきたヒントをもとに、もう一度ダイイングメッセージをお考えくださいm(__)m

次回は容疑者の証言と、遺体に刻まれた第二のダイイングメッセージが登場する予定です。犯人を捜すのは、そこからですね。

それでは、今回はこの辺りで失礼します。

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