三連休があけた月曜日、
たった3日といえ休みは、体に染み付く。

あーー

やっぱり、学校、休めばよかった

矢津 誠一郎

帰りてー

新島 椿

一年!

まだ学校についてはいないけども、
帰りたい気持ちが たかまって、たかまって

ついに、ぽろと 心からこぼれた声を
押しのけるように凛とした声が
すぐ後ろから聞こえる。

矢津 誠一郎

びっくりしたぁ・・
椿ちゃんか

新島 椿

つば・・っ・・
ちゃんと新島先輩と呼べ!!!

新島 椿

あ・・ しまった
違う。今のは、なしだ

下の名前を茶化すように呼ばれることに、反射的に声を荒げる新島は、
ああ違う違うと、大げさに深呼吸をする。

その一人芸を、何事かと矢津は見やる。

矢津 誠一郎

え・・・と、どうしたんスか
つば・・・新島先輩
(何か変なものでも食べたのか)

新島 椿

うむ。もうこれから俺は、
簡単に怒ったり殴ったりしないぞ

矢津の質問に、
よくぞ聞いてくれたと姿勢を正し、新島が答える

矢津 誠一郎

は、 はぁ・・
(この人、たまーに変なことを言い出すよなぁ)

新島 椿

なんだその気の抜けた返事は!

新島 椿

ああ・・
また怒鳴ってしまった

矢津は学校までの間に、
この新島の一人芸を三度みることになる

矢津 誠一郎

せんぱい、勘弁してくださいよ

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