ナルシス・エーデルシュタイン

…………クリエよ

クリエ・エーデルシュタイン

……何?

ナルシス・エーデルシュタイン

「ごちそうさまでした」は?

クリエ・エーデルシュタイン

ザートさん、ごちそうさまでした

ザート

いえいえ、お粗末様でした

ナルシス・エーデルシュタイン

お前にエーデルシュタイン家らしくあることを強要したことは数回もないが、せめてもう少し静かに食べられないのか

クリエ・エーデルシュタイン

美味しかったから、つい

ザート

…………

ナルシス・エーデルシュタイン

……ザート、戻ってきなさい

ナルシス・エーデルシュタイン

さて、今日は何の用だ、クリエ?

クリエ・エーデルシュタイン

何って?

ナルシス・エーデルシュタイン

わざわざ昨日に引き続き会いに来てくれたからだ。まさか、本当に食事を取りに来ただけではあるまい?

クリエ・エーデルシュタイン

…………うん

クリエ・エーデルシュタイン

プルートシュタイン家って、どんな家柄なの?

ナルシス・エーデルシュタイン

……そうか、今度はプルートシュタインか

ナルシス・エーデルシュタイン

お前でも、ピルツのような小物とは格が違うことは感じたか

クリエ・エーデルシュタイン

うん。まざまざと

ナルシス・エーデルシュタイン

プルートシュタイン家は……私はあまり好かないな。あの家は上昇志向が強いというか、貴族意識がとても強い家系だ

クリエ・エーデルシュタイン

……確かに

ナルシス・エーデルシュタイン

それに、先々代から妙な連中と関りを持ち始めたと聞いている。真偽のほどは分からんが、最近のプルートシュタイン家の勢いは何か暗いものを感じる

クリエ・エーデルシュタイン

妙な連中……

ナルシス・エーデルシュタイン

まぁ、どんな上流貴族にも黒いものはあるって話だ。我がエーデルシュタイン家も含めてな

ナルシス・エーデルシュタイン

だから、頼むから無茶だけはしてくれるなよ。家名が落ちることなんかよりも、お前がいなくなることの方が私は辛いんだ

ザート

旦那様……

クリエ・エーデルシュタイン

大丈夫、絶対にちゃんと帰ってくるから

クリエ・エーデルシュタイン

約束する

ダリア・ブルートシュタイン

入ってください

ローテ

失礼します

ダリア・ブルートシュタイン

貴方がローテ様ですわね?噂には聞いておりますわ!

ローテ

……ありがとうございます

ダリア・ブルートシュタイン

なんでも、前に怪盗シャムロックを追い詰めているとか。今回も期待しておりますわよ

ローテ

……失礼ながら、ダリア様。怪盗シャムロックは強敵です。我々軍や私兵だけで捕らえられるかどうか……

ダリア・ブルートシュタイン

軍の殿方は皆貴方のように弱腰で意見するのですか

ローテ

……申し訳ありません

ダリア・ブルートシュタイン

心配には及びませんわ。対策は万全ですし、こちらには切り札がありますもの

ローテ

……切り札とは?

ダリア・ブルートシュタイン

入っていらして

キーファー

…………

ローテ

……ダリア様、この者は?

ダリア・ブルートシュタイン

先程お話した切り札ですわ。とある方から破格でお借りしたのですけど

ローテ

とある方、ですか?

ダリア・ブルートシュタイン

そのお方、とても不思議なことを言っていたんです。ローテ様は信じられますか?

ダリア・ブルートシュタイン

このお方の臓器、宝石なんですって

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