1.覚醒
1.覚醒
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目が覚めた時、
私は見知らぬ公園のベンチで眠っていた。
ここ・・・どこだろう・・・?
きょろきょろと周囲を見渡しても、分からない。
何で私は、公園のベンチで眠っていたんだろう?
とりあえず現状について考えてみよう。
そもそも、眠る前って何をしていたんだっけ・・・?
・・・うーん・・・
だめ・・・何にも思い出せない。
いくら思い出そうとしても、
何一つ思い出せなかった。
・・・うん!
思い出せないってことは、
きっとどうでもいいてことなんだよね!
だから私は、考えるのを止めた。
ここでどれだけ悩んでいたって、
何も始まらない!
そうと決まれば、行動あるのみ。
とりあえず・・・動こう
不可解なことが多くて不安になるけれど、
これからどうするかを口にしてみると、
ちょっとだけ安堵できた。
公園を出て、適当に歩き回ってみた。
人気のない道を歩いてみても、
当然見覚えはなくて・・・。
誰か人が歩いていれば、
いろいろと聞けるんだけど・・・
その誰かすらすれ違うことがない。
それに今が何時なのかすら分からない。
日が暮れているから、
夜なのは間違いないのだけれど・・・。
こういう時、
携帯電話があれば一番楽なのだろうけど、
生憎と私は持っていないらしかった。
なんで誰もいないのよ・・・
思わず愚痴ってしまう程度には、
参ってしまっていた。
誰も居ないから、
独り言が妙に響くのよね
それにどれだけ独り言を言っていても、
誰も居ないから気にする必要もないし・・・
立ち止まって今一度周囲を見渡してみる。
まぁ、何にも変化なんてないんだけど・・・
自分以外に誰も居ない。
当然、独り言はよく響く。
もちろん、独り言だけではなく、
音が異常に響いてしまう。
だからだろう、私はその音を聞き逃さなかった。
・・・足音?
確かに聞こえる足音。
それが徐々に近付いて来ていた。
誰・・・?
ん・・・いや、誰でもいいのよね
人が居るなら、
ここがどこか聞けるんだから
そうして近付いてくる足音が鮮明になっていき、
足音の主が私の前に姿を現した。
・・・あ
それを見て私は――