雨の降る6月に転校して来た初日の朝。
雨の降る6月に転校して来た初日の朝。
何だこれは?
担任から職員室で諸々の説明を受けた俺は、自分の席に戻って机の中に一枚のメモを見つけた。
土曜って修正テープで書き直してるし。とんだ間抜けだな
そう言いながらも俺はうっすらと笑っていた。
まだ学校にこんなことをする奴がいたとは、正直驚いた。
加えて、文面から察するにどうやら複数人いるようだ。
一限目の授業開始のベルが鳴る。
兎にも角にも、まずはこいつらの正体を確認してからだな
呟き俺は、静かに席について数学の教科書を開いた。
雨は上がっていた。
今は四限の古典の授業だ。
——であるからして、和歌におけるこの技法を、『沓冠(くつこうぶり)』と言う……
教師の声が響くが俺はほとんど聞いていなかった。
おっと、もう終わりか。では続きは次回。時間があったら復習しておけよ
そして次は、お昼の時間だ。
メモの主が指定した時間、午の刻だ。
腹を満たした、とあったけれど、ご飯は食べた方がいいのだろうか……
一瞬悩んだが、しかし俺はコンビニで買ったおにぎりの入った袋を持って、約束の場所へ向かう。
ここか
少し道に迷いながらも、五分足らずで俺は目的の教室を見つけた。
まあ待っていてもしょうがないし、取り敢えず入るか
音楽室。
颯爽と、俺は躊躇いもなくそのドアを開けた
おっめでと
~~う!!
ふふふ。やはり我の見込んだ通り、貴様は仲間に相応しい人材のようだ!!
男の子だったか……
は、初めまして。よろしくお願いします
ようこそ。我がミステリー研究部へ!
何かよく分からないが、その『ミステリー研究部』とやらに俺が入部する空気が流れている中で、俺は言った。
こんなくだらないなぞなぞしか考えられないような部に、俺は入らないぞ
な、そんな……
どうやらあのメモの内容はこの女が考えたらしい。
確か俺のクラスにいたような気もするが……
そういうと思ってな。というかあの程度の問題でうちの部に入れると思われても困るしな。ここにお前のための入部テストを用意させてもらった
ぶ、部長まで……
仲間内からも責められさらに泣き顔になったクラスメイトのことより、何だ!?
あの部長とかいう男、今テストとか言わなかったか!?
お、おいお前。テストなんて俺は……
ふはははは!!
問答無用だ。我々の実力を前に無様にひれ伏すがいい!!
おいお前……話を勝手に——
ごめんなさい夕日さん。でも、しょうがないんです!!
めんどくさそうだけど頑張れ
では、お前が辿り着く先で再び会おう!!
ちょっと待っ
俺の声も聞かず、そんな音と煙とともに、あいつらの姿は消えていた。
ご丁寧に、入り口のドアも閉まっていた。
確認してみたが、外から何かを引っ掛けている感触があるだけだった。どうせ開かないように細工でもしているはずだ。
くそっ。窓の方から出られはしないのか
そう思って窓を見る。ここは四階。運動場側の窓は、たとえ開けても脱出できそうにない。
廊下側の窓を見ると、鍵を掛けた上に南京錠で二重ロックをしてあった。
なるほど。つまりあいつの言うテストは、この南京錠のカギを見つけて脱出しろってことか
手がかりを探すべく辺りを見て回った俺は、すぐさまいくつかの怪しいものを見つけた。
カレンダー
一つ目は、5月のカレンダー。おそらく6月1日になった今日、まだ変えられなかったままのものだろう。
カレンダー(拡大)
よく見ると、日付の欄に文字が記入されていた。
二つ目は、何だこれは? メモの答えにあった木琴に、これ見よがしに貼られていたが。
ポエム、か? だとしたら、随分と痛々しいポエムだな
パソコンのディスプレイに表示された文字
そして最後にパソコンに書き込まれたこの謎の文。
以上三つが俺が見つけた手がかりだ。
取り敢えずはここから進めて行くとしよう。
この中なら、一応やることが明示されているこの文章からだろうな
パソコンに打ち込まれた謎の文。取り敢えず最初に、俺と姫宮とかいう女の席が分かるよう書き出してみる。
俺のクラスの座席表のメモ
あの女が俺の仲間ではないならば、少なくとも縦の列という可能性が消えたが。
さあ、材料は揃った。今から謎解きを始めよう
入部テストであるらしい、脱出ゲームのスタートだ。
* * * * *
こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。
今回の謎は、ひとまずパソコンの文章の解読です。アイデアが浮かんだ方はどんどん報告下さい。
正解が出た場合はストーリーが進みますが、不正解のコメントがあった場合も、それ用の不正解ストーリーを作りたいと思っています。
もし画像の方が見にくければ教えてください。
それでは、今回はこの辺りで失礼します。
カレンダーの日付と座席の配置が同じだから、座席をカレンダーに当てはめて自分の席に隣接する文字から探すと「ぶちょー」の組合せが見えるんだけど、それだけだと2番目の手掛かりが全く活かせないし……??
問題は、その後の主人公の仲間です。隣接する席ではなく、パソコンに書いてあった、主人公と同じ役職を持つ席を探すのです!!!
ちなみに、ヒントですが、主人公の持つ役職は漢字二文字です*(^o^)/*
役職はカレンダーの各日に振られたアレかな?だとすると、スマホだと読み取りにくいので、PCで見られる時に挑戦します!多分同じ役職の日の文字を集めれば何か見えてきそう!
多分アレで合ってると思います笑笑(*^^*)
見にくくてすいません。
おそらくですけど、アレはどのカレンダーも共通なので、仲間の場所だけならお近くのカレンダーでも確認出来ると思います。
明日にでも、パソコン使える時に画像のアップとストーリーの追加を行っておきます(๑>ᴗ<๑)
とけたーーーーー!(はず)
まず、カレンダーを座席に当てはめて、自分の席を見ると、「仏滅」なので、仏滅が自分の「役職」。同じ役職の日の文字を集めると、「くつこうぶり」この「くつこうぶり」が何か思い出せなくてちょっとググったところ、和歌の「暗号」みたいなものとのこと!
そこで、その和歌のルールを調べると、各句の最初と最後の文字で構成するということなので、このルールを木琴上のポエム(!?)にあてはめる。
「祖父若き」「楽園の日々」「望むのだ」「失し時は来ん」「永遠に反故」の先頭の文字をつなげると「そらのうえ」そして、最後の文字では「きびだんご」
あれ、ここまでで解けたと満足してたけど、仲間見つけてませんね……。「きびだんご」といえば桃太郎だから、桃太郎の仲間は犬、キジ、猿でしたっけ……
パクりbotさん、完璧な答えです!!!
第2話では、そこまででOKの予定でした(。-∀-)ニヒ♪
くつこうぶりから出てきた二つのキーワードは、第3話以降で必要となりますので、よろしくお願いします!!!