レウコン

あんたがいるってことは、当然あいつも近くにいるってことだよな?

危害を加える気ならば、一切の容赦はしないから覚悟することだ

レウコン

だからしないって!

憎しみはもうない、と?

レウコン

あるに決まってるだろッ!!

レウコン

メランを盾にするようなヤツに忠誠を誓うなんて死んでもごめんだ

…………

レウコン

今は、あの人の子供って理由だけじゃないし

友人だと?

レウコン

何か放っておけなくてな。
あいつは一人で頑張りすぎてる感じするだろ?

確かに

レウコン

腹ん中では何考えてるのか知らないけど

お前のようなことは考えてはいない。
真面目な方だ

レウコン

そうか? 面白いこと好きそうだけど

お前に何が分かる!?

レウコン

お前こそ何を知ってる!?

レウコン

人が何考えてるのか全然分からないが、お前みたいなカスばっかに囲まれてちゃストレス溜まるだろうなってのはよく分かる

貴様……

レウコン

じゃあ聞くけど、メランは幼少期からツッコミ体質だったのか?

…………

レウコン

何も知らない爺がでしゃばるな

私の忠臣をいじめてくれるな、レウコン

レウコン

……ああ、それはすみません

メランの共か?

レウコン

……は?

違うのか?
息子がいたから休日返上で仕事熱心だと感心したのだが……

レウコン

いや、知らないですけど……

偶然か……。
なるほど、娘が言う“運命の赤い糸”だな!

メラン

お前も影響受けてるのかッ!!

メラン

妹に変な本与えてるのお前じゃないよな!?

大きな誤解だ。
娘の愛読書がお前受の薄い本だと知っている程度だ

メラン

最悪だ……最悪な展開になってる……

パパ×メランの薄い本はまだか!?

メラン

出るわけないだろ!!
公表してないんだからッ!!

レウコン

これがおそらく素だ

な、なるほど……。
初めて見るお姿です……

メラン

で?
何でお前が今ここにいるわけ?

レウコン

答える義務はない

メラン

あっそ。
明日は団長会議だから迷子になって遅れるなよ?

私は公務に戻る。
行くぞ

ハッ!!

レウコン

…………

メラン

……親衛隊長と何話してたわけ?

レウコン

……お前のツッコミに関して

メラン

…………。
……話は、聞いた

レウコン

そうか

メラン

……ごめん

レウコン

何で謝る?

メラン

“あの時”オレは城にいた。
知らせを聞いても、もう会えないことに悲しんだけど……母さんが死んだなんて実感はなかった

メラン

子供だったからって言い訳をすべきではないと思うが……“死”なんて現実的なものではなかった

レウコン

王族にとっては、誰かが死んでもそれは“駒が一つなくなった”程度なんだろ

メラン

……だから、ごめん。
巻き込んでしまって……

レウコン

メラン

大人になってから聞いた話なんだが、母を認めない派閥があって、婚姻前にどうにかしようと画策していたらしい

メラン

……どうやったかは知らない。けど、その結果……人が死んだ

レウコン

……それで?

メラン

恨むなら、父ではなくオレを恨め

レウコン

何でそうなる!?

メラン

いや、婚姻前に孕ませて子供産ませて引き取って、それから婚姻とかどんなクソ親父だよ!?って気持ちはオレにももちろんあるんだけどさ

レウコン

…………

メラン

一般人だった母を娶るには既成事実が必要という政治的理由もあった。
だからオレが産まれた。
……逆を言うと、オレが産まれなければ母は死なずに済んだ

メラン

オレがいなければ婚姻も難しいだろうし、仮に婚姻の話を進め同じことが起きたとしても、それはきっとお前がもっと大きくなってからだったと思う

メラン

だから、オレを恨め

レウコン

それは断る

メラン

何故?
オレが原因だろ

レウコン

友人は恨めない

メラン

──ッ

レウコン

そこまで聞けば予想はつく……。
その派閥を断罪したんだろ? お前の父親が……

レウコン

なら、お前の父を恨む理由はない。
もちろんお前を恨むつもりもない

レウコン

王族の事情なんてややこしいのは分からないが、少なくともお前が責任を感じることはない。
望まれたお前に罪はない

メラン

…………

メラン

……レンがアホキャラじゃないなんて……

レウコン

…………

メラン

レン……

レウコン

何だ?

メラン

ありがとう!

レウコン

……何で感謝されるんだ?

メラン

友達とかいなかったからさ、なんか嬉しい

レウコン

……友達がいなかったのか

メラン

念のために言うけど……立場上の問題だからね……?

メラン

城内では公然の秘密だったけど、普通の人にはオレが王族なんて知られてない。
でも知られてないからと言って、王族の血が入っているオレを城から捨てることはできなかった

メラン

国王の初孫だからねオレ

レウコン

あ、ああ……

メラン

そんなわけで、腹違いのヴィントが産まれるまで手厚く保護されていたわけ。
決して友達ができなかったわけじゃない! 作る機会がなかっただけだ!

レウコン

……そこまでこだわって反論することでもないと思うんだが……

メラン

あとは、さっき言ってくれたこと。
父を許してくれて感謝する

レウコン

それに関しては恨む理由はなくなったが、オレはお前を盾にしたことは許してないぞ?

メラン

……どうする気だ?

レウコン

しかし、思い出すと子供たちを捨てろと命じられなかったので、チャラということで

メラン

……それでいいのか?
オレもお前も……

レウコン

お前たちの仲が悪くないなら、それでいい

メラン

仲悪いよ? 見たろ? 何あれ?
娘と一緒にBL本とか最悪!
死ねばいいのに!!

レウコン

……仲良いな

メラン

……一応聞くけど……お前にそんな趣味はないよな? 大丈夫だよな!?

レウコン

そういう趣味はないが、別に否定もしない

メラン

そこはキッチリ否定してくれた方がオレとしては助かるんだけど……

レウコン

男を娶る趣味も抱く趣味もないが、抱けと言われたら抱けるしな

メラン

……レンが、遠い世界の存在になった

レウコン

言っとくが、実際抱いたことはないぞ?

メラン

良かった! 遠すぎて泣きそうになった!

レウコン

試してみるか?

メラン

それ以上オレに近付くなッ!!

レウコン

……冗談だ

メラン

よし、ぶん殴るから歯ぁ食いしばれ!

レウコン

…………

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