亀の恩返し

15.命を受け取る。






















私は命を見た。


虹色に光り輝くそれは
まだ見ぬ新しい人生が
素晴らしいものであることを
表しているようにも見える。

どうせ放っといても死ぬんだし、だったら……いいかもしれない


私は命を受け取った。















あたりが眩く輝きだす。

声が聞こえる。

さあ、行きなさいカメよ!


私は、光に向かって足を踏み出した。


































おお、これは可愛らしい

本当に。玉のようですねぇ


声が聞こえる。











わたし










わたし……は……








































きっと美しく育ってくれるでしょうねぇ

ああ、夜空に輝くまん丸のお月様みたいに

そうだ、輝く夜と書いて「輝夜」。
かぐや姫と名づけよう

良い名前ですよ、おじいさん







竹の枝葉から木漏れ日が
きらきらと輝いている。

優しそうなお爺さんとお婆さんが
笑っている。











わたしは輝夜。
かぐや姫。

この先、私が新たに紡いでいく
人生(物語)は――















また、別のお話。










- おわり -

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