家を後にした夜太

夜太

家族か、、、

ため息まじりに歩いていている

夜太

この僕が家族になる、、、
もうキャベツは作らなくていいみたいだけど、、、
彩もご機嫌だし、この上ないくらい幸せなんだよなぁ、、これからの僕たち、、、

幸せだと?馬鹿な事を、、、

後ろから声が聞こえ夜太が振り返る

貴様が幸せになれる訳がない
馬鹿な考えはやめるんだな

夜太

君は、、、明師、、、

明師(メイシ)と言う名の男が顔を上げる

明師

久しいな、夜太

夜太

久しぶりだね、元気そうで何よりだよ
君の顔は出来れば見たくなかった、、、

明師

それはこちらのセリフだ
こんな田舎に住み着きなんの真似だ?
探すのにずいぶんかかったぞ、、

夜太

自然に溢れているだろう?
この辺は、僕のお気に入りなんだ
静かだし考え事もし易い

明師

ふん、呑気なものだ、
さしずめ定年を迎えたジジイのようだな、、、

夜太

えぇ!!こんなに若くてイケメンの僕をジジイだなんて!!
むしろ定年を迎えた人達に謝れ!あの人達は仕事を散々して、やっと安息の時間を手にいれたんだぞぅ!!

夜太は明師に言い寄る

明師

何が若いだ!
貴様はもう60を越えているだろうが!!
阿呆め!

夜太

それは言わないお約束だろ、、、
いいじゃん、若く見えるんだから、、
明師だって40超えてる癖に、、、

明師

黙れ
私だって好きで若作りしている訳ではない
そういえば、彩は元気か?

夜太

そりゃ元気だよ!
今日だって朝殺されかけたんだから!

明師

それはなにより
話が脱線したが、家族が出来たとはどういう事だ?貴様は子を作る事は不可能だったはずだが?

夜太

キャ、、、キャベツから子供が、、、

明師

阿保!!そんな事は聞いてない!
キャベツってなんだキャベツって!
どうして子が出来たと申しているのだ!!

夜太

いや、、、
流れて来たんだよ、、、川から、、、桃が、、、

明師

よもや頭も病んだか、、、
そんな話し誰が信じる、、、
いいか、夜太、「幸せ」や、「家族」を求めるな、、、
貴様は幸せにはなれん、、、

夜太

、、、、、、

明師

貴様はどれだけの人間を不幸にした?
どれだけの尊い命を奪った?
どれだけの「幸せ」や「家族」を、、、

夜太

やめてくれ

明師の言葉を夜太がさえぎる

夜太

たしかに僕は生きていてはダメな者だよ
「幸せ」や「家族」を求めるなんて馬鹿だってわかってる

明師

、、、、

夜太

だけど、僕は彩と出会った
世界で一番愛する人、、、
彼女と出会って人生が変わったんだ、、
人を不幸にしてきた僕だから、、、
初めて人を「幸せ」にしたいって思えたんだ、、、

明師

ふん
身勝手な奴だ、、、
しかしコレだけは言っておく、、、
人生とは「因果応報」だ
コレだけは何があっても覆らん、、

夜太

、、、、、

明師

その証拠に、貴様の元いた
「鬼道会」の残党が動きはじめた
その、警告に来たのだ

夜太

なんだって!?
壊滅したはずじゃないか!?

明師

驚くだろうな、、、
私が貴様の協力を得て壊滅させたハズだった
一応すまないとだけ言っておく

夜太

そんな、、、
でも、明師が謝る事じゃないよ、、、
こうやって僕と彩を危険から遠ざけくれたのは明師だから、、、、
ありがとう明師、、、

明師

、、、、、
まぁ用心する事だ
奴らに動きがあればすぐ貴様に伝える
達者でな

夜太

うん、ありがとう
ところで、彩と太郎とは会っていかないのかい?

明師

断る
彩は苦手だ

夜太

もうー、、、
そんなにブスっとしてたらいつまでも結婚できないよ?明師?

明師

余計なお世話だ!!帰るぞ!!

明師はいうなり、夜太に背を向けた

明師

せいぜい、彩と子供を大事にするんだな

明師は言い終わると同時に姿を消した

夜太

ありがとう明師、、、、
しかし、因果応報か、、、

夜太は空を見上げ、また深いため息をついた

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