03.すれ違いの日常

私は双子の姉の゛霧雨 雫゛がいた。

雫は…幼少時代に、”とある事件”で亡くなってしまったのだ。

 話によると…私もその事件に巻き込まれていたらしい。

 …だが、私はその事件の詳細は記憶にない。

???

…おい、お前ら!

霧雨 涙

…委員長。

 時和 嵐(ときわ あらし)。
 クラス委員長で生徒会 会長。
 私と豊の幼馴染だ。

 以前まで仲が良かったが…高校入学してから間もなく…嵐は私たちに冷たくなってしまった。
 …理由は簡単だ。
 嵐は頭が良く、優等生であり、生徒会に所属してからは、”自分に釣り合う人”としか絡まなくなった。

 …だから、私と豊は…嵐と呼ばず、委員長と呼ぶようになった。
 名前を呼ぶと…嵐は不機嫌になるからだ。

時和 嵐

次の時間、体育館に集まれって言われただろう?
さっさと…向かえ…。

樋爪 豊

…言われなくてもわかっている。

 …いつもこうだ。
 豊と嵐が絡むと険悪な状態になる。

霧雨 涙

…わ、私たちも向かうから。
…教えてくれてありがとう。

時和 嵐

…。

 …嵐は去っていた。

樋爪 豊

…本当、面倒くさい。

樋爪 豊

前はあんな奴じゃなかったのにな…。

霧雨 涙

…仕方ないよ。
体育館に行こう…遅れたらまずいよ。

 教室を出ようとした時だった。

霧雨 涙

…っ!?
叫び声…?

 -続く

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