なんだろう……
はぁ……
まったく、なんで生徒会が体育祭と文化祭のプログラム組まなきゃいけないかな……
どうせまた……先生が手直しするのに
はーい
失礼します
えーっと、あなたは……
放送部新部長の、高屋敷梨華です
ああ、放送部の
体育祭のプログラムの件でお伺いしたいことがありまして……
ああ……そうだよね、放送部と打ち合わせもしなきゃね……
少々、早かったでしょうか
うーん、生徒会役員もそれぞれのクラスの練習や制作でなかなか来れない状況でねえ
そうですか? アスナならさっき廊下で暇そうにふらふらとしていましたが……
え!? そうなの!?
はい、そうです
あれ……っていうか、アスナちゃんの知り合い?
中学からの同級生です
へえ……中学から……
ただ、あの変態と同類とは思って欲しくありません
あ、う、うん
アスナちゃん、お友達にまで変態と言われちゃってるよ……
しかし困りました……体育祭のプログラムを早めに把握しなければ、こっちもシフトを回せないのですよ……
あー、やっぱり、忙しいよね
特に三年生が引退して、人数が一気に減りましたからね……現在は二年が私一人、あと一年生が三人です
そ、その人数で行事を回すのか……
行事はまあ……いいんです……
問題は……
いえ、なんでもありません
そ、そう?
こんにちはー
あ、こんにちはー
あ……
あ……
ん?
えーっと、なんでしたっけ?
あの、なんか名前が豪華そうな感じの……
高屋敷梨華
そうそう、それです
んーっと、知り合い?
一年生の時に同じクラスだったんです
因みに、アスナさんとも同じクラスでしたよ
へえ……
…………
どうしました?
いや、変わらないなあ、と
それは、僕が一年生の時から全く成長していないといいたいんですか?
いい意味で、変化がない
…………
なんだろう……
私が知らない佐島くんのことを、二人が話している……それだけで、こう、モヤモヤする……
ヤキモチってやつか……これ
むずむず、するなあ……
では、プログラムが出来上がり次第連絡をください
あ、うん
あ、どの程度の段階まで出来上がっていればいい?
競技種目は例年通りだとして、応援合戦と三年生のダンス発表の順番ですね
音響とカメラ配置を考えなければならないので
了解
大変ですね、放送部も
まあ、例年通りの忙しさなのだけれど……
そういえば
アスナとは、うまくいってるの?
え?
何故、アスナさん?
だって、付き合っているんでしょ?
えっ
えっ
え
初耳です、そんな話
え……私てっきり……
それで僕になんとなくなれなれしい感じだったんですか?
なれなれしい要素なんてあったかしら
でも、てっきりずっとアスナの彼氏だと……
とんだ勘違いですね
でも、アスナはあなたの後を追って生徒会に入ったのよね
それも初耳なんですが
え……
なんか、よく分からないことになってきた……
す、すみません!
あ、噂をすれば……
アスナさん、僕はちょっとアスナさんに問いたいことが……
そ、そんなことは後です!
え…………
お待ちください……
わっ
掴まえ……ましたわ
つ、捕まってしまいました……
あれ? この子ってあの日……
もう離しませんわ
私の王子様
王子様!?
だーかーら、アスナは可憐な乙女なんですよー
いえ、アスナ先輩は間違いなく、私の王子様ですわ
助けてください、生徒会長殿~
え? あ、私?
王子様~
ちょっと、真琴……何やってんの
あ、り、梨華先輩
発声練習はどうしたの? 部室戻るよ
え? あ、王子様~!
…………
…………
佐島くん
はい
いったん情報を整理したい
奇遇ですね、僕もそう思いました!!
怒涛の新学期は、とにかく複雑な人間関係を理解するところからスタートしそうです!
続く