愛には色んな形がある。
それは人によって様々…
100人いれば100通りの愛がある。
今日はそんな愛の話。
愛には色んな形がある。
それは人によって様々…
100人いれば100通りの愛がある。
今日はそんな愛の話。
【レスボス島】
本土から200kmほど離れたところに位置する島、レスボス島。人口300人しかいないこの小さな島で私は生を受けました。
私の名前はレイズ=サッポー。
この島の学校で子供達に勉強を教えています。私にとってここでの生活は日々充実したものでした。
先生さようならー!
はい、さようなら。気をつけて帰りなさいね。
本日の授業を終えて、子供達を見送ると、玄関の前で私を待っている人がいた。
終わった?
玄関の彼女は私に笑顔を向けて言った。
ごめん、あともうちょっとだけ待って
うん、わかったよ。
私はさっさと教室の後片付けをして彼女のとこに向かう。
お待たせ。じゃあ、行こうか♪
うん。
私とビアンは島の灯台に来ていた。
ここは私とビアンにとって特別な場所・・・
ここに来るたびにあの日のことを思い出す。
もうあれから1年経つね
そっか、もうそんなになったんだ。なんかあっという間だったよ。
ここで初めて私たちは出会った。そしてそれからもう1年は経っていた。まるで昨日のことのように感じる。
レイズ
あっ・・・
ビアンはいきなり私に唇を重ねてきた。
ちゃくちゃくと舌を絡めあう音が聞こえる。
―――ンンンッ!?
ンンッ
プハァ・・・もういきなりどうしたの?
レイズがかわいかったからつい
彼女、ビアン=ヒュパティアは、私にとって大事な人です。
私の恋人で私が世界で一番愛している人。だけど私達には人には言えない秘密があった。
そう、私達は同性愛者なんです。
私が自分が同性愛者だと気づいたのは10歳になった頃でした。日を追うごとに胸が膨らみ、初潮がきたときはパニックになりました。
それは女性特有の身体の成長なんですが、当初の私はずっと自分は男の子だと思って過ごしてきたので、自分の身体が女だと気づいた時はかなりのショックでした。
思い悩んだ私は両親に相談しました。
そして父に殴られました。
・・・・・・・・
俺の娘がこんなこと言うなんてな
どうしましょう・・・こんなことがもし周りの人達にしられでもしたら
・・・・・・
いいか、お前は女なんだ!もう二度とそんな馬鹿なことをいうな!
でも僕は男なんだ信じてよ!とうさん、かあさん!
まだ言うか!!!
――――ッ!?
ああ、神様。なぜうちの娘がこのようなことに・・・私が何か御身を怒らせることをしたのでしょうか、神様・・・
何を言っているんだ!そもそもお前の教育が悪いからこうなったんだろ!
なによ!あなただって仕事仕事ってずっとほったらかしにして!
お前は女なんだ。そんな馬鹿なこと他人に話してはいけないと、そう両親にいわれました。
それから私は自分の気持ちに嘘をついて生きるようになりました。好きになる人は大抵女性、だけどそれを打ち明けられず恋すらできないでいました。
おかしいですよね。好きな人を好きになることさえ許されないなんて、それから21歳になるまで女の振りをして生きてきました。自分の性を偽って…
ごめんなさい。レイズの気持ちには応えられない
えっ、なんで?
なんでって、当たり前じゃない。
だって僕のこと好きだって・・・
それは友達としてだから!ありえないでしょ女同士だなんて!
あともう二度と私に話しかけないで
えっ・・・
安心して私近いうちにこの島を出るから、貴女のその趣味のことは誰にも言わないでおくわ。
というか貴女がそんな趣味あるなんて知らなかったわ。
でも僕は君のことが・・・
そういうのやめて
気持ち悪い
――――ッ!?
・・・ヒック・・・ヒック
・・・もう、つかれたよ
そんな人生に疲れ果てた私は島の岬から身投げしようとしました。そこを偶然通りかかった人が必死で止めてくれたのです。その時出会ったのが彼女ビアンでした。彼女の職業は詩人で、この島を仕事の関係でたまたま訪れていました。
自殺を止められた後も彼女は私のところに頻繁に訪れて話を聞いてくれました。私は次第にビアンに心を開いていき仲良くなりました。そして私自身ビアンに段々と惹かれていたのですが、彼女の迷惑になると思いその気持ちを隠して、よき友人として彼女と接していくつもりでした。
そんなある日私達が初めて出会ったこの場所で彼女から愛の告白をされました。
その時の私は困惑と同時に凄く嬉しかったのを覚えています。ビアンもまた女性しか愛せず私と同じ苦しみを抱えて生きてきたそうです。私に告白したのもこの苦しみから解き放たれたかったらしく、私に失望される覚悟だったそうです。私はそれが嬉しくて彼女の想いに答えました。こうして私達は結ばれたのです。
今日は私達が出会って丁度一年になる記念日。
私達は島の岬でデートしていました。私はいつものようにビアンに言います。
ねぇビアン。
ん?
私ね、今すっごく幸せ。
私もだよ。
私達は愛を確かめあう。もう何百回くらい聞いているかもしれませんね。それほど私の心は今満たされていたからです。
私とビアンは互いに告白をした思い出あるこの岬で幸せを噛み締めていると、ビアンが浜辺のほうを見ながら何かを見つけました。
ん? あれ何だろう?
ビアンの見ていた浜辺に私も見ると確かに何かありました。それは人のようなものが打ち上げられていました。
あれって・・・大変!? 人だ!
私はすぐ気づいて言いました。そう人間だったのです。優しいビアンはすぐに言いました。
すぐ行こう!
私達は人が倒れている浜辺に向かいました。
浜辺に倒れている人は若い青年だった。黒い髪は海でビショビショになっていて、旅人が着るようなマントを羽織っている。背中には黒い大剣を携えていた。
漂流者だね。
…死んでるの?
私は恐る恐る聞いた。ビアンは青年の顔を覗きこむと呼吸を確認した。
よかった、まだ息がある。死んでないよ。でもすぐに治療しないと…
!?
するとその青年は近くにいたビアンの腕をいきなり掴んだ。それに私達はビックリした。青年は呟く。
め…
め?
め?
メシ……
どうやら命に別状はないようだ。私とビアンは安心しながら、この青年を自分達が住む家に連れてった。
第七章 愛ノカタチ
【レイズとビアンの家】
ガツガツガツガツ!
凄い勢いでご飯を食べる漂流者の青年。
しかし、思ったほど元気そうでよかったよ。おかわりはいるかい?
頼む
空いたお碗を差し出す青年。彼は次々と料理を貪るように平らげていく。私達は彼の食欲を見て呆気に取られながら、青年の凄まじい食べっぷりを見ていた。
そして、あっという間にテーブルの上に置いた料理がなくなった。
ふぅ、生き返った。
青年は満足したかのように腹を叩く。
す、すごい食欲だね
私は軽くひいている横でビアンは微笑んでいた。
ふふ、でも見ていて凄く飽きなかったかな。
テーブルの皿を片付けて三人分の食後のコーヒーを用意した。
そういえば礼がまだだったな。助かったありがとう。
いえ、大事にならなくてほんとよかったです。え~と…
ルシファーだ。ルシファー=サタン。
私はレイズ、そして私の隣にいるのがビアンです。
よろしくルシファーさん。
ビアンは笑顔でペコリとお辞儀する。三人はコーヒーを飲みながら談笑する。
そういえばここはどこなんだ? 本土ではなく島のようだが
ここはレスボス島、見ての通り田舎の島だよ。
ほう、ここはレスボス島だったのか。それは運がよかった。丁度この島にくるところだったから。
ルシファーさんの話からするとここに向かっていたそうだった。
本土の人がこのレスボス島に来るには船でしかこれない島。レスボス島行の定期船も出ているが、ここら辺の海は岩礁が多く、毎年何隻もの船が座礁しては漂流者が流れ着いてくる。大抵は死体になって流れ着くが・・・
ルシファーさんの乗っていた定期船もここに来る途中座礁したんだろうと私たちは察していた。
この島に生きて流れ着くなんてほんと運がよかったね。他の船員はどうなったんだろう?
他の船員? なんのことだ?
だって船で来たんだろ? 乗っていた船が沈没でもしたんじゃないの?
船など乗ってない。泳いできた。
その言葉に私たちは絶句した。
お、泳いで!? 本土からこの島まで泳いできたのかい!?
ああ
すました顔をしながら平然というルシファー。
ここら辺は海流があって危険なのに…
あまり手持ちがなかったからな。
手持ちがないのは事実である。それで船に乗れなかったのもそうだが、いつもならベルゼブブに乗って行くという手も使えなかった。
ベルゼブブは長距離を飛ぶことはできない。今までも必ずどこかでベルゼブブを休ませてから移動していた。
今回は海を渡るため、途中で降りて休憩する場所はなく。ベルゼブブに無理をさせるわけもいかない。
私はやれます!
と強情を張るベルゼブブの制止を押しきって200kmばかし泳いできた。余裕だろうと思っていたが、意外に距離があって、途中の渦潮に飲み込まれてしまい流されてこの島に着いていたのだ。
しかし、ここは二人で住んでいるのか?
ええ、そうだよ。
ということは君らは姉妹なのか
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
ん?違うのか?
その問いに一瞬間があった。二人は目線を合わせ頷くと答えた。
あ、ああ私達は姉妹なんだよ。
オイルシファー、コイツラ血縁者ジャネェゼ。血ノ臭イガ違ウ
それを聞いていたダーインスレイブがテレパシーでルシファーに話しかけてきた。
血を吸うこの魔剣は、血を嗅ぎ分けることができる。近親者同士は血の匂いが似ているそうで、ダーインスレイブ曰くこの二人は赤の他人だそうだ。
なにかわけがありそうだが、彼女らの目配りも見逃してなかったルシファーは察する。彼女らは他者でありながらも固い絆で結ばれていることに。
嘘・・・だな?
君らは姉妹…ではないな。
その言葉に二人はギョッとした。
し、姉妹だよ。確かに似てない姉妹とはよく言われるけどね
ワケありのようだな。
・・・・・・・・・
ビアンが必死に取り繕うがルシファーには看破されていた。
あまり他人が立ち入るのはよくなかったようだな。すまない、今のは失言だった忘れてくれ。
島の人じゃないルシファーさんになら話しても大丈夫かも…
ちょっとレイズ!?
レイズは慌てる。自分達のことはこの世界では普通じゃないことだから。
私達は…恋人同士なんです。
レイズはルシファーに真実を告げた。ルシファーは驚きもせず、真剣にそのことを聞いていた。
そうか
あまり…驚かれないんですね
躊躇するのはわかる。余り他人には話たくはなかっただろう。無理に詮索してすまなかった。
否定しないんだ?
愛の形は人それぞれだろ? 他人が口出すことではない。
その言葉にレイズとビアンは安堵した。
ルシファーさんが理解がある人でよかったです。
俺にも似たような経験がある。だから君らの境遇は理解できるしな。
天使と人間、種族を越えた恋愛をしていた経験があるルシファーには彼女達の気持ちは痛いほどわかっていた。
ルシファーさんもそうなんですか!?
ん?ああ、前にな。
あなたも私たちと同じこっち側の人だったのか、なら安心したよ。
こっち側?なんのことだ?
でもルシファーさんってそういう風には見えないですよね意外です。美形だし
おや?僕という恋人がいながら浮気かい?妬けちゃうな
そ、そんな違うから!
わかってるよ。ちょっとイジワルしたくなっただけさ。なんなら今夜はルシファーさん含めて三人で一緒に寝ようか?
もうビアンったら!でもそれもいいかもね♪
やれやれ・・・
安心したのか二人は隠すのをやめて素になる。
本来ならこんなことは今日会ったばかりの人には話せない。しかし、この青年の持っている不思議な神々しさと優しい雰囲気で話してしまっても大丈夫なような気がしたのだ。案の定彼は非難や否定をすることなく私達の関係を理解してくれていた。
ビアンもようやくルシファーさんを信じてくれたようで心を開いて三人は会話を楽しんだ。それは日が落ちるまで続いた。
あ、もうこんな時間、レイズそろそろ行かないと
ん? これから何かあるのか?
ルシファーは尋ねる。それをレイズが答えた。
今日は私達が初めて出会った記念日なの。だから酒場でこれから友達とお祝いがあるんです。よかったらルシファーさんも行きません?
ではお言葉に甘えるとしよう。
こうしてルシファーは二人の誘いに乗ることになった。
キリスト生誕前のヨーロッパ方面……同性愛者……あっ…(察し)
ルシファーさん渦潮さえなきゃ泳ぎ着いてた可能性があるって言うのがやっぱりルシファーさんですよね……!競泳選手でもそんな泳ぎませんよきっと…!そしてまた生まれる話のすれ違い(´・ω・`)
何ガ起キルノカ察シテシマッタカ。今回ハ結構エグイカモシレナイ。シカモ10話ニナル長編ダゼ!
何故全裸待機www
ソウイッテクレルノハ、ルリルシ氏ダケデスヨ。ルリルシ氏ガ読ンデクレルカラ描イテイラレル。本当感謝シテルゼ!
道化師:一応原作のダーインスレイブさんから話の顛末を聞いたんですが、下手したらこれワンピやナルト並の容量になりそうで、終わりが見えないというww
できるだけはっしょってって、完結までの道筋を立てるつもりです。一人一人のドラマがあるんですが、流石に魔柱72柱の72人分は多すぎるww
それは長い……!!魔王になるまでですもんね…そんな一筋縄で行くわけないです…!!のんびり魔王誕生譚を楽しませていただきます(*´ω`*)
72柱は……実は73だとか76だとかいろいろ説があったりもしますからね…!!
道化師:そう言ってくれると助かります。ではお言葉に甘えてのんびり描かせてもらいます♪
いやぁ、最近ダーインスレイブさんがGIFでOPアニメ作れって無茶難題を振られていたのでもう一杯一杯でw
流石るりルシさん、御存知でしたか。ソロモン72柱に諸説あることを!悪魔にお詳しいですね!
なにそれ見たいです!!あ、でも無理しないでくださいね!!
ソロモン方面はまだ浅いですがね…!一応天使悪魔題材で学パロ書いてる身なんで(`・ω・)キリッ
俺ラハ悪魔同盟ダシナ!ギャハッハッ!