2人は新しい仲間、ジークを引き連れ、再び大木の根に戻ってきた。
状況は、最初にここへ訪れた時の状態に戻っている。
2人は新しい仲間、ジークを引き連れ、再び大木の根に戻ってきた。
状況は、最初にここへ訪れた時の状態に戻っている。
頑丈な扉だな。
あれ破られたら困りますけどね。
多分、シナリオ破綻しますよ。
雰囲気を壊す発言はやめたまえ……。
悪い悪い。
それじゃ、準備はいいか?
俺とヤクルトが前で敵を引き付けるから、ジークさんは援護を頼むぜ。
任せておけ。
全て焼き払ってみせよう。
僕達は焼かないでくださいね。
行きますよッ!
3人が戦闘状態に入る。
すぐに前衛2人が飛び出し、スキルで敵の注意を引いた。敵は全員、2人を中心に釘付け状態だ。
貰うぞ!
ジークの前方に展開された魔法陣から、真っ赤な炎の線が放たれる。炎は前に出ている2人を掠めるように通りぬけ、一帯の影は跡形もなく消え去った。
流石だぜ。やっぱり本職は違うな。
巻き込まれたら、僕達もただじゃ済みませんね。
そんなヘマはしない。
次だ!
次に放たれたのは、巨大な火球だ。
火球は影に直撃し、付近の影もまとめて消し飛ばした。
俺達も負けてらんねーな。
そうですね。
僕達も削っていきましょう。
魔法使いの殲滅力は、戦士のそれとは比べ物にならない。あれだけ苦戦した影達が、みるみるうちに減っていった。
今度はいけそうですよ。
ジークさんのおかげだな、ほとんど倒しちまったよ。
お互い様だ。
君達が敵を引き付けてくれなければ、私は戦うことができないのだからな。
そう言ってもらえると有り難いですね。
これで、終わりです!
ヤクルトの一撃が、最後の影を叩き斬った。
これで敵は全滅……のはずが、どうも様子がおかしい。
……まだ終わりでは無いようだな。
倒したはずの影が膨れ上がり、全く別の形を取る。
先程とは打って変わり、プレイヤーの2倍はある巨大な影となった。
こいつがボスみたいだな。
流石に、あの影達だけで終わりということはありませんでしたか。
僕が引き付けます。
このまま挟撃しましょう。
先にヤクルトが一撃を加え、影の注意を引く。
ジークは正面の延長線上に影が来るように位置を取り、影の背後にレグルスが回りこむ。
良い配置だな。
このまま一気に削りとるぞ!
な……?
影のターゲットが、ヤクルトからジークに切り替わる。
前衛2人を無視し、影がジークに向かって進み始めた。
しまった……こっちに来い!
あ、あれ?
ヤクルトはいつもの様に、スキルで敵を引き付けようとするが、影のターゲットが切り替わる気配はない。
慌てて後を追うが、2人よりも先に、影がジークの目の前に迫る。
こいつ……このスキルに抵抗があるな。
くそ……魔法で身を……。
ジークが魔法を唱える前に、影が攻撃を行う。