【ゼバル家領内の村 エクロン】
【ゼバル家領内の村 エクロン】
村についたルシファーは、そこで違和感を感じた。
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村全体の空気がピリピリしている。
負のオーラが充満しているな。
飢饉の影響でか村人達に活気がない。
あるのは村人達が殺気だっていた。
ルシファーは情報収集のため村人に話を聞いた。
なんだいあんた...
旅のものだが、少し話を聞きたい
余所者に話すことなんかないね!
取りつく暇もない。
しかたなく、村人が口を開きやすいよう伯爵の悪口を言ってみた。
ここの伯爵は悪党だと聞いたがどうなんだ?
その言葉に反応してか、
閉鎖的だった村人は饒舌に話始めた。
あの伯爵はとんでもない悪党さ!あいつは私腹を肥やして、うちらが苦しいってのに
案の定、餌に食いついた。
それはひどい話だな。飢饉の原因もその伯爵のせいか?
飢饉の原因かい? それとこれとは別さ。ここ五年くらい前から雨がまったく降らなくなったんだよ。
雨が降らない? それはおかしいな。
昨日俺がここに来る途中雨が降っていたぞ
そんなはずないよ。昨日もおとといも、その前も全然村には雨が降らなかったんだから!
いや、本当だ。確か山を登ってちょうど中腹に差し掛かったときに凄い大雨が降っていた
幻でもみたんじゃないかい?
ここら辺は霧がよくでるからまやかしにでもかかったんだよ
どうも村人と話が噛み合わない。
それに雨が降らないはずはない。
昨日確かに雨は降っていた。
ルシファーは他の村人に話を聞いてみることにした。
天使様の遣いの方が山から下りてきて不思議な術で私達を救ってくれるんだよ。
天使様の遣いね、そいつはどこにいるんだ?
あの一番高い山だよ
あの山か...
昨日自分が登っていた山を村人は指差していた。雨から霧になった山だ。
いかにも怪しい予感がしていた。
ルシファーは村から離れて、昨日登っていた高い山を見る。
山の上に住む天使の遣いか...
臭イナ
ああ、かなりな
天使ノ仕業カモナ
行ってみる価値はありそうだな。
ルシファーはダーインスレイブを担いで天使の遣いが住むという山を目指しに村を出ようとする。
すると村の入り口に5人ばかしの男たちがいた。
全員手には鍬や鉈を持っている。
穏やかな雰囲気じゃない殺気を発する彼らはルシファーを睨み付けていた。
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ぺっ!
へへへ・・・・
くちゃくちゃ・・・
ヒャッハ~
ルシファーは男達の横を通りすぎようとしたとき、ルシファーの行く手を桑が阻んだ。
やれやれ…
予想していた展開にルシファーはため息をつく。
何か用か?
貴様だな。この村のことをコソコソ嗅ぎ回っている余所者は!
ルシファーは五人組の男達に囲まれた。
男達の目は殺気だっている。
だったら何だ?
領主の館に出入りしているようだが
大方、領主に言われてスパイしに来たんだろ!
中年の男性、おそらくリーダー格の男は言ってきた。ルシファーは鼻で溜め息をつく。
ふん、くだらないな。まったくの見当違いで因縁をつけられるとはな。
てめぇ! 舐めやがって!
構わねえ! 血祭りにして死体を領主のとこに送ってやる!
五人組の男達がルシファーに襲いかかる。
クッケッケ! 丁度イイ腹ゴシラエダ!
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オラッ!!!
てりゃあ!!!
くたばれ!!!
しかしルシファーはダーインスレイブを抜こうとはせず。男達の攻撃を体術だけでいなしていく。
オイ! ルシファー! ナニシテヤガンダ! サッサト俺様二奴等ヲ食ワセロ!
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しかしルシファーは答えない。
彼らはバアルを憎んでいるようだが、
当のバアル本人は村人を守ろうとしている。
こいつらはクズだが、ルシファーはバアルの顔を立てて命までは奪わないよう手加減していた。
そして反撃することなく男達の攻撃を避けていく。
あ、当たらねえ!
なにやってんだてめぇら! 相手は丸腰の一人だぞ!
なんだ逃げてるだけか! かかってこいよ!
そうか、なら遠慮なくやらせてもらおう。
ルシファーは拳を振るった。
ぐへっ!?
顔面にパンチを喰らい一人がありえないほど吹き飛ばされた。続いて近くにいた男の胸ぐらを掴み片手で投げ飛ばし、他の奴にぶつけた。
ぎゃあ!?
ぼへっ!?
あっという間に三人をのしていく。
それを見てリーダー格の男が驚く。
な、なんだと!?
やはり人間相手だと手加減が難しいな。
天使の身体能力は人間の約二倍、堕天し半人間となったとはいえルシファーの能力は人間を圧倒していた。
死ねや!!!
ぎゃふ!!!
桑で襲いかかってきた男を軽く避けてぶちのめす。
ば、化け物か!?
リーダー格の男はこいつは敵わんと思い逃げ出した。
だが、それを逃がすルシファーではない。
やるときは徹底的にやるルシファーは逃げた男を追いかけて、すぐに追いついた。
ぜぇ…せぇ…領主の犬が…
先に喧嘩を売ってきといて逃げ出した負け犬に犬呼ばわりされたくないな。
ぎゃへぇ!!!
そう言ってルシファーは最後の一人をぶちのめした。
五人いた男たちはルシファーの前に倒れた。
まったく、余計な時間をとられたな。
ルシファーは何事もなかったように天使の使いがいるという山に向かうためエクロンの村を後にした。
ぐ・・・ぐぐぐ・・・・・
倒れている集団の中にいたリーダー格の男はボロボロになりながらも、自分等をコケにしたルシファーに対して憎しみを込めて睨んでいた。
あ、あの領主の犬め…今に目にもの見せてやる…
リーダー格の男の目は、憎悪が宿っていた。
コメントアリガトウ!
ルシファーノ奴ハ糞真面目ダカラナ。全ク困ッタ我ガマスターダゼ