お前は走り出す
何かに追われるよう
俺が見えないのか
すぐそばにいるのに
お前は走り出す
何かに追われるよう
俺が見えないのか
すぐそばにいるのに
何だねナルサワ君!
このとにかく声もギターもキンキンする騒音は?難聴になりそうだよ
紅だあ!
え?な、何て?
だからXジャパンですよ。
『紅』ですよ、マスター。
知らないんですか?
バッテン野蛮の間違いじゃないのか、ナルサワ君?これは純喫茶の音楽にはふさわしくない!いますぐやめたまえ、店長命令だ!
釣れないなあ!!
上手くない!キミの頬が私の拳で紅に染まる前に早く止めたまえ!
それは嫌ぁ!!!
大人をからかうんじゃない!
おっと!
置いてけぼりにして失礼。
この左側で声を荒げているが
よく見るとハンサムな老紳士が私、
純喫茶モロウのマスターだ。
そして右側のひねくれた
なすびのヘタのような髪型の
青年はナルサワくん。
ワケ合ってこの喫茶店モロウで
住み込みアルバイトを
してもらっている。
いや、
置いてやっている。
何と!!
登場人物の紹介しているうちに
当店自慢の超高級スピーカーから
繰り出された臨場感溢れる
低音の振動でテーブルから
カップが落っこちてしまった
ではないか!!
ああもうこれだから
ロックミュージックってやつは
純喫茶に向いていないのだよ!!
純喫茶モロウ
第一章
フォロウミー
イフ
ユーキャン
どうしてくれるんだね、ナルサワ君!紅のせいでカップが売れない商品に早変わりだよ!
別に良いじゃないっすか?どうせ100キンのカップなんだし。
そんな事より何か今のブレイク、マジ気持ち良くないっすか?〇タゴラス〇ッチ的な。
アガるわ~
私はキミのそういうマイペースな所がファッ〇ンなのだと言わせてもらうよ!
それでは立派な大人になれないよ、ナルサワ君。
私が君に何を求めているか言い当てて見たまえ?
わかりましぇーん
償いだ!!
荒ぶる魂をシャア・アズナブールに変えて、君を粛清する!それが嫌なら今すぐ謝りた給え!
嫌だと言ったら?
触れ合い(殴り合い)だ!!
いけないいけない!
こんな茶番劇をしていて
ついつい自分たちが
〝茶の番”
をしている事を忘れていた。
午後三時。
本日最初のお客様のご来店。
すいません、まだ準備中でしたか?
いえいえ、営業中ですとも!
いらっしゃいませ~
どぅも!
バカたれナルサワ君!
馴れ馴れしいのだよ君は!
挨拶もろくにでき…
ああ、どぅも!
ええ!!
普通に何ら違和感もなく!?
そんな…私が世間から遅れているのだというのか?これが若さか?
紅に染まったこの俺を
慰める奴はもういない
GO NEXT!!