お前は走り出す





何かに追われるよう





俺が見えないのか





すぐそばにいるのに



マスター

何だねナルサワ君!
このとにかく声もギターもキンキンする騒音は?難聴になりそうだよ

ナルサワ

紅だあ!

マスター

え?な、何て?

ナルサワ

だからXジャパンですよ。
『紅』ですよ、マスター。
知らないんですか?

マスター

バッテン野蛮の間違いじゃないのか、ナルサワ君?これは純喫茶の音楽にはふさわしくない!いますぐやめたまえ、店長命令だ!

ナルサワ

釣れないなあ!!

マスター

上手くない!キミの頬が私の拳で紅に染まる前に早く止めたまえ!

ナルサワ

それは嫌ぁ!!!

マスター

大人をからかうんじゃない!





おっと!


置いてけぼりにして失礼。







この左側で声を荒げているが

よく見るとハンサムな老紳士が私、

純喫茶モロウのマスターだ。



そして右側のひねくれた

なすびのヘタのような髪型の

青年はナルサワくん。



ワケ合ってこの喫茶店モロウで

住み込みアルバイトを

してもらっている。


いや、

置いてやっている。



何と!!

登場人物の紹介しているうちに

当店自慢の超高級スピーカーから

繰り出された臨場感溢れる

低音の振動でテーブルから

カップが落っこちてしまった

ではないか!!


ああもうこれだから

ロックミュージックってやつは

純喫茶に向いていないのだよ!!









純喫茶モロウ












第一章



フォロウミー

イフ

ユーキャン







マスター

どうしてくれるんだね、ナルサワ君!紅のせいでカップが売れない商品に早変わりだよ!

ナルサワ

別に良いじゃないっすか?どうせ100キンのカップなんだし。
そんな事より何か今のブレイク、マジ気持ち良くないっすか?〇タゴラス〇ッチ的な。
アガるわ~

マスター

私はキミのそういうマイペースな所がファッ〇ンなのだと言わせてもらうよ!

それでは立派な大人になれないよ、ナルサワ君。
私が君に何を求めているか言い当てて見たまえ?

ナルサワ

わかりましぇーん

マスター

償いだ!!

マスター

荒ぶる魂をシャア・アズナブールに変えて、君を粛清する!それが嫌なら今すぐ謝りた給え!

ナルサワ

嫌だと言ったら?

マスター

触れ合い(殴り合い)だ!!



いけないいけない!


こんな茶番劇をしていて

ついつい自分たちが
〝茶の番”
をしている事を忘れていた。



午後三時。


本日最初のお客様のご来店。

榎本

すいません、まだ準備中でしたか?

マスター

いえいえ、営業中ですとも!
いらっしゃいませ~

ナルサワ

どぅも!

マスター

バカたれナルサワ君!
馴れ馴れしいのだよ君は!
挨拶もろくにでき…

榎本

ああ、どぅも!

マスター

ええ!!
普通に何ら違和感もなく!?
そんな…私が世間から遅れているのだというのか?これが若さか?





紅に染まったこの俺を




慰める奴はもういない







GO NEXT!!

フォロウミー・イフ・ユーキャン

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