エイミさん、運動をしましょう。たまには体を動かして、いい汗かくのよ。
お珍しい。どうしたのですか。普段自分からそんな事おっしゃらないのに。
年頃の女性が急に運動の話をする。……はっ もしや。
ウィーン……センシングデバイス作動中。土にかかる圧力の分布を判定……ロック。確定しました。――対象:恵さんの体重を測定します。
やめろ、やめろ。
まじで、許して、助けて。
いやまあ、白状するけどさ。ちょっとここんとこ食べ過ぎちゃって。お腹周りがやばいんだ。
こりゃ運動でもしないとね……
どうせ3日で飽きますよ。
仮にもお世話ドロイドのセリフとも思えませんが。
どうせ飽きるのは事実だけど……だからこそさ、エイミさんにも一緒に参加してもらえないかな。
一緒にやってくれたら、続けられる可能性あるじゃない。ジョギングとかさ。
エイミはお世話ドロイドですので。運動をする機能はありませんよ。
そう……残念。
考えてみれば、エイミさんは太ったり運動不足になるわけじゃないもんね。運動なんて、必要ない能力なのかな。
エイミは結局人ではない。恵さんの隣で、同じ行動を、同じ喜びをわかちあうことは出来ないのでしょうか。……ごめんなさい。
ん……なにも、いつも同じことするだけが全てじゃないでしょ。運動が出来ないなら……あたしの運動量とか、効果とか、記録したりしてサポートしてくれない? あたしが飽きないように。
マネージャーと言うわけですね。それならエイミにも出来ます。お任せください。
では早速、恵さんの現体重をネットワーク上で共有し、そこから導かれる最適な運動プログラムを検索し……
ばっちり個人情報! 助けてー!