四季

約束、だったからね。

そう、彼と私の大事な約束。

四季

そんなに俺に会えたのが嬉しいの?

伝えたい事がいっぱいあるの。

でも、上手く言葉にできなくて・・・。

どう言ったら私の気持ちが貴方に伝わるのか、わからなくて・・・。

四季

本当キミって・・・。

彼は大事なモノを壊さないように
そっと、優しく私の頬を撫でる。

四季

どーして、そんなに泣き虫なわけ?
キミはいつも泣いてるね。
まるで俺が虐めてるみたいでしょ。

そう言って彼は、少し困ったような笑顔で私の涙を指で拭った。

四季

まぁキミを泣かせていいのは俺だけなんだけどね。

四季

ただいま。
俺の愛しい恋人さん。

ーここからまた彼と私の新しい物語が始まるー

凛として咲く花の如く

かぐや

うぉぉぉぉぉお!!
やっぱり何度ハピエン(ハッピーエンド)見ても胸きゅんするわ!

ベットの上で携帯の恋愛アプリをやりながら叫ぶ25歳。

毎日寝る前に、好きなキャラのハッピーエンドを見る事が日課になってしまっている。

なんとも寂しい奴だ。

かぐや

ほっとけ!!!

かぐや

ん?私は誰にツっこんでるんだろ?
でも今絶対誰かにバカにされたような気が・・・。

私が今やっている恋愛アプリは、昔の日本みたいな国が舞台だ。

もちろんゲームだから、コンセプトは【昔の日本】や【和】なんだろうけど事実に基づいているわけではないし、本来その時代に無い物や言葉が存在したりもする。

それはゲームの醍醐味って事でご愛嬌って事にしておこう。

今の恋愛アプリは便利な物で、好きなキャラのアプリを買うだけ。

個別課金ってやつだ。

後は選択さえ間違わなければハッピーエンドを見る事ができる。

昔なら選択を間違えたら別キャラルートに突入とか別キャラエンドとかあったものだが・・・。

かぐや

それにしても本当四季かっこいい!!
意地悪×クールキャラ・・・ツンデレとはまた違うのよね!
はぁ・・・ 好きっ!!!

私が今プレイしている恋愛アプリ
【凛として咲く花の如く】

この恋愛アプリのヒロインはお姫様で、家臣を連れ町に出たがはぐれてしまい、道に迷っていると人さらいにさらわれそうになる。

そこにたまたま居合わせた四季が人さらいを倒して姫と出会い、身分違いの恋だがヒロインは四季に想いを寄せる。

最初はヒロインの事を邪険に扱っていた四季も、ヒロインと過ごすうちにだんだん惹かれていく・・・。

ある日、姫の城が敵に攻め込まれて城は炎上、城の中にはまだ姫と数人の家臣がいる状態。

そこに四季が助けに行って、見事姫を助け出してめでたしめでたし

かぐや

よくあるパターンのアプリだからかわからないけど、あまり人気ないんだよねぇ。
スチルもキャラも素敵だけど、好みもあるからかなぁ・・・。

ダウンロード数はそんなにいってないし、人気アプリでもない。

結構マイナーなアプリになってしまうかも。

それでも私はこのアプリが大好きで【四季】というキャラが大好きなのだ。

かぐや

無理だけど一度でいいから会ってみたい。
現実で会えないなんてわかりきってるから、せめて・・・
せめて夢の中で会えますよーに!!!

毎日そう願いながら寝るが、悲しいことに夢で会えた事は1度もない・・・。

かぐや

神様仏様!夢で四季で会えますよーに!・・・なんてな。

私はアプリを起動させたまま、画面に映る四季を見て意識を手放した。

身体が痛い。

寒い・・・。

それになんだか眩しい。

さっきアプリしながら寝落ちしたような気がするけど大分寝たのかな?


寝ぼけた頭で色々考える。


目を開けなきゃ・・・。
仕事もあるし準備しなきゃ・・・。

かぐや

んっ・・・。

目を開けたらそこは外でした

かぐや

ん????
えっ・・・??
どっ・・どどどどーして私外にいるの!?
まさか夢遊病だったとか!?
いや、そんなわけない!元彼とお泊まりしても外で寝てたなんてことはない!

遠くでガヤガヤ人の話声とかが聴こえてくる。

私はどこかの橋の下で寝ていたらしい。

目の前には川が流れている。

かぐや

夢・・・よね・・・?

とりあえず目の前の川に手を入れてみる。

冷たい。

もの凄く冷たい。

おもいっきり自分の顔を両手で叩いてみる。

かぐや

いっ・・・いったーーーーい!!!!
何これどーゆうこと!?痛いってことは夢じゃないってこと?
冷たいってことも夢じゃないってことなの!?

川に手を入れたら冷たいし、頬を叩いたら痛い。

夢だと思いたいが痛みや感覚があることから、これは夢ではないということだろうか・・・?

かぐや

だめだ・・・。
昨日のことを思い出しても、どーして今私がここにいるのか全然わからない。

私は叫んだ。

かぐや

ここは誰!?私はどこーーー!?
なんなのよー!!

つづく

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