あれから私はチーシャに色々な話を聞いた。
 あのニセモノのチーシャは、私の自信の無さが具現化し、悪夢となったものであること。
 一方チーシャは私を救おうとイイユメツール『人々の想い』を集めてくれていたということも聞いた。チーシャには本当に感謝だ。

チーシャ

それにしても新たな力を得るとは思わなかったよ。【ゆるふわモード】想定外だね

 チーシャの言う通りだ。
 あれから【ゆるふわモード】は使っていない。使うことができないと言ったほうが正しいか。でもいつかその時が来たらまた【ゆるふわモード】を使うこともあるだろう。そうなんとなく直感に似た確信が私にはあった。

チーシャ

今回は危なかったね。危うく悪夢に飲み込まれるところだった

 チーシャはいつもどおりの様子でそう口にした。そこには危機感なんてみじんも感じられない。

眠井 朝華

うん、そうだね

 でもだからこそチーシャにお礼を言いたかった。私は緊張しながらも、チーシャにお礼の言葉を言おうとする。

眠井 朝華

あのね、チーシャ。その、あ……

チーシャ

それにしても、あのニセモノが残した【ゆるふわまじかる】ってスピンオフ企画は唯一いいかもしれないね。これからも定期的に発表するといいかも

 そう言ってチーシャは笑い声をあげた。

眠井 朝華

(……なによ、私の気も知らないで!)

 チーシャの一言により頭の血管に血が上る。気がつくと私は十トンハンマーを手にしていた。

チーシャ

朝華、なんだいその十トンハンマーは?

眠井 朝華

イイユメツール『ゆるふわハンマー』だよ。大丈夫、ゆるふわだから痛くないって

チーシャ

ちょっと待て、朝華、冗談だろう? よして、やめて、アッー!

 チーシャの悲鳴は朝華の夢の中でむなしく響いた。

ゆるふわまじかる~くそねみまじかるスピンオフ~続く?

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