先輩と(二次元の)話をしている時(の方)が楽しい
その名も必殺町娘! はい!
…………
はぁ
…………な、何?
いやぁ、ノリノリでアニソン歌う鈴石先輩ってオタクだなあ、と
何を今更
って、佐島くんには言われたくないし!
僕はオタクじゃないです
二次元の女の子を愛しているだけですから
それを世間一般にオタクと言うんだよ!
失礼な!
てか、佐島くんは歌わないの?
…………歌いません
なんで? 別に私はアニソンをノリノリで歌われてもひかない自信があるよ?
……そもそも僕たちは何故カラオケルームにいるんでしたっけ?
いや、買い物があまりにも早く終わっちゃって
でも夕食の時間にはまだ早いから時間を潰そうと
カラオケで?
うん。私暇だとよくヒトカラやってるし
寂しい人ですね
う、うるさい!
もしかして、カラオケ好きじゃなかった?
まあそうですね……あんまり歌とか歌いません
ああいうのは美少女が歌うからいいのであって
僕が歌ったらなんか変態みたいじゃないですか?
そんなことないと思うけど……
まあ歌うなら一人でどうぞ
そ、それはちょっと申し訳なさが……
そんなことないですよ
てか、せっかくのデートなのにカラオケで一人で歌っているっていうのはどうなのかと思ったり……
もうちょっと盛り上がる『計画』だったんだけど
よし、路線変更だ
な、なんかお話します?
何のです?
ここで二次元の話を振ったらいつもと変わらない……生徒会の話もダメだ
…………案外難しいぞ
あ、えっと……もし手に入るなら瞬間移動か念動力どちらがいい?
…………え
念動力も迫力があって魅力的なんだけど、敵対する組織があってこその力って感じがするんだよね。だから私は普段の生活でも役立つ瞬間移動派なんだけど……
す、鈴石先輩……
頭、大丈夫ですか?
失礼な!
現実見ましょう?
現実に超能力なんてありません
正論だ!!
し、失敗してしまった……
じゃあ友達から聞いた話なんだけど……
え? 鈴石先輩友達いるんですか?
現実見ましょう?
せいろ……
いや、これは現実だ!
それは驚きです
先輩のお友達は二次元の中にしかいないと思っていました
私を誰だと思っているんだよ
重度のオタクです
痛い人です
酷い!
冗談はさておき、友達がどうしたんですか?
あー、私の友達が超能力は存在しないけど魔術は存在するとか言い出して、でも私的には超能力の方が現実的だと思うんだよね。人間の力を超えた力……科学的に考えれば……
ボケですか!?
それはギャグなんですか!?
現実に帰ってきてください!
ほんとだ、さっきと全然話題が変わっていない!?
まったく、ダメダメじゃないですか
うう……
やばい、まともな話題というのがよく分からない
これが二次元につかり過ぎた人間の末路ってやつかぁ……
なんかもっと面白い話をしてください
……浮かびません
ダメですねえ……
ダメダメですね
ダメ会長……
もうそれ単なる悪口だ!
あと正直へこむんだけど!
自業自得です
いや……そうは思えない
てかどうしたんです? いつもは狐草紙の話とか必町の話とかしてくるのに……
んー……
たまには、脱・二次元しようと思って
でもだめだ。全然話題が浮かばない
じゃあ無理しなくていいじゃないですか
僕は先輩と二次元の話をしている時の方が楽しいですよ
佐島くん……
…………
……どうしました?
私も
私も二次元の話題の方が楽しい……かも
でしょう?
先輩と二次元の話をしている時の方が楽しい……
先輩と(二次元の)話をしている時(の方)が楽しい
先輩と話をしている時が楽しい
いや、……我ながら酷い解釈だ
こんなんで嬉しくなっちゃう私ってそうとう重症なのかな……
じゃあ思いっきり今週の必町について語るとしましょう
はい
全く二次元から抜け出せていないけど……いいのかなあ
まあ、楽しいならいっか。
じゃあ、まずはAパートの謎解きに関してなんだけど……
ああ、あそこの怖気づくことぶきちゃん、とっても可愛くないですか?
だよね!
こうして鈴石さんは今日も二次元に帰っていく……
……続く