俺はその言葉を聞いて、思わず吹き出しそうになった。
金谷が? 飯野と? そんな馬鹿な。
一緒に話しているクラスメイトの雪谷は笑いながら言っていたが――きっと雪谷にとっては冗談交じりに言っているつもりなのだろうが――俺にとっては死活問題。
だって、俺は、飯野と幼馴染だからだ。
この俺、哀川優斗にとって、飯野マキは幼馴染であり、それ以上の存在ともいえるようになっていた。
あくまでもそれは俺の主観に過ぎない。飯野はそんなことを思っていないかもしれない。
だが、飯野が誰と付き合っているのか、誰と仲良くしているのか、それだけは把握しておきたかったのだ。