Epilogue...

ここ数か月、私はとても不思議な体験をしました。


 フラれた記憶、恥ずかしい黒歴史……全部消す事が出来たらいいのに。
 そんな願いを叶えてくれる天使と出会ったのです。


 そして私は、自分勝手に様々な記憶や歴史を消して、色んな人を振り回してしまいました。

 最終的に堀坂誠人くんという男子の大切な想い出まで消してしまい、自責の念から全てをもとに戻してもらう道を選んだのです。

杏月ちゃん!

秋……

いろいろ思い出したんだけど

オレ、やっぱ杏月ちゃんのことが好きなんだ!!

付き合ってくれ!!

 この人も私が振り回してしまった人。
 きっちりけじめをつけなければいけない。

ごめん……

私好きな人がいるから……

そっか……

うん……

……ごめんなさい

りょーかいっ!

幸せになってくれよな!!

 ありがとう。

 秋。

 全ての記憶や歴史が戻りました。
 多少混乱はしているけれど、これで良かったんだと思います。



 全てを知った誠人くんには嫌われてるだろうけれど。
 それでもいい。
 後悔はありません。





 ただ……

 想い出を勝手に消したことは、謝らなきゃいけない。




 ……でもまだ会いに行くその勇気が持てません。

おい、西岡ー! すまんがまた体育倉庫にコーンを全部運んどいてくれないか?

はいっ

 ウリエルが現れてから色々ありました。

 何度も告白したり、されたり。
 そのせいでテストを落として、涼七ちゃんと話すきっかけができました。
 念願の友達ができた私は、高校生活をエンジョイできていると思います。

 いつ厨二病の過去を打ち明けようか悩み中だけれど。

これ、結構重いかも……

 それに……。



 ほんの少しの間だったけど、誠人くんにも私を好きになってもらえた。



 すべてが繋がっているんだなって。



 すべてのことが無駄じゃないんだって。

(そう、思いたい……)

貸してみ

 せ、誠人くんっ!?

あ……ありがと

 コーン運びを手伝ってくれる誠人くん。

 そういえばと私は思い返す。
 
 ウリエルに消してもらって忘れていたけれど、実は一年生の時にもこうしてたまたま手伝ってくれたことがあった。
 会話もないぐらい一瞬の出来事だったけれど。


 そのときから好きになったんだ。

 ……だから告白したんだった。

 こんなに前から好きだったなんて。

……消しても消しても、最後はやっぱり誠人くんを好きになるの。




 好きでいるだけで、きっと幸せなの。

(謝らなきゃ……)

あのっ……!!

 コーンを体育倉庫に置いて、誠人くんの後ろ姿に声をかける私。

……

勝手に想い出を消して……

すみませんでした!!

 頭を地面に付きそうなぐらいに下げて謝った。

マジ……だったんだな、天使

本当にごめんなさい!!

俺は……お前に真帆を重ねてしまうのが怖かった

でも、真帆のことを忘れている間、お前に感じたことは、全然違うものだったぜ

くそ真面目なくせに、どっか抜けてて

お化けにビビるわ、迷子になるわ

純粋でほっとけない、優しい奴……

そんなことない……私はズルしたの……

ズルして……誠人くんと付き合ったんだから……

真帆のことは、忘れたいわけじゃないし、きっとこれからも忘れられない

けどな

俺は杏月が好きだから!

うそ……

もう一度、付き合ってくれ……!

でも……私といたら、真帆さんのこと思い出しちゃうよ!!

そしたらまた悲しくなっちゃうよ!!

もう誠人くんに悲しい想いは……

 私を抱きしめる誠人くん。

 その腕は震えていた。




 私の想いが全部伝わるようにと、力いっぱい抱き締め返す。

杏月……

もう誠人くんに悲しい想いは……

 誠人くんは私にキスをした。

んっ……

それでも俺は……

お前と幸せになりたいんだ……

 体育倉庫の少し埃っぽく、ひんやりとした空気。


 この匂いでもまたいつか、今日のことがリフレインされたりするんだろうな。


 その時の私は、笑っているの?

 泣いているの?

 ねえ、ウリエル。


 やっぱり私達人間は、辛いことも悲しいことも全部受け入れて歩いていくんだ。


 それが幸せ。


 悲しみがあるから幸せを感じられるの。




 気付かせてくれて、ありがとう。




 たくさんのわがままを聞いてくれてありがとう。




 一緒にいてくれて、ありがとう……。




 私は……幸せだよ!



 貴方は今、どこにいますか?



 会いたいです。

 破壊天使ウリエル。




 貴方との歴史は、黒歴史。





 絶対に消したくない、私の大切な黒歴史だからね……。

fin...

Special Thanks

メインキャラクターデザイン

西岡杏月 by ユニ先生

ウリエル by さくらい莉先生

堀坂誠人 by さくらい莉先生

宮川秋 by さくらい莉先生

神原裕貴 by さくらい莉先生

高井希衣子 by ユニ先生

辻涼七 by ユニ先生

真帆 by ユニ先生

他キャラ・挿絵・背景
イラストレーターの方々

(ストリエ表示順)
お名前は完結時のものです

羽織イオ先生

まぐろメイド先生

Nia先生

なっちゃん先生

mono先生

丸メガネん先生

Two blocks先生

asymmetry先生

とくまる先生

ヤマネ先生

jugemt先生

彩 雅介先生

qut先生

戸塚こだま先生

相川啓太先生

なっつ先生

祀夜ひろ先生

平 妃奈(ひらひな)先生

アスカセラ先生

にょろみ先生

くもくも先生

あっきー先生

のり☆しお先生

ルシヴィオ先生

さくらい莉先生

ユニ先生

風知草先生

たけなか先生

石川堤先生

こにゃもんた先生

はおり先生

mt先生

友情出演協力

まなべべ先生

ストリエ開発運営の皆様

and...

you!!

心より感謝いたします

2016.2.26 すずろ

この物語はフィクションであり、
実在の人物及び団体とは
一切関係ありません。

——あとがき——

 最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

 ウリエルは箱の中で何を想い……どう生きていくのか。
 制裁エンドにて完結とさせていただきます。


 いかがでしたでしょうか。
 さくらい先生の素敵なキャラを閉じ込めるのはとても悲しく、自分で書いていて泣きそうになりました。
 皆様におかれましても、これは愛ゆえの決断とご理解頂ければ嬉しいです。


 しかし、読み返してみると安易な視点変更が多すぎましたね……。
 真帆のくだりや涼七と裕貴のエピソード等、後半だいぶ端折っちゃいましたので、せっかく素敵なキャラ絵を使わせて頂いているぶん、またいつか時間見つけて加筆したいと思っております。
 やっぱり難しいですねえ、ラブストーリーは。
 ストリエでもさらっと心理描写を書いてらっしゃる先生方、本当に尊敬します。
 非常に技量不足を感じましたので、もう私はこのジャンル書かないと思います笑。
 ラブコメぐらいのほうが書いてて楽しそうな気がしました。
 地の文の勉強がてら、一度ストリエに頼らず小説も書いてみようかなと思ってます。

 そんな私ですから、稚拙な地の文の代わりにストリエでは表情や背景画像、挿絵で情景描写とかを表現させていただけること、本当にありがたいです。
 さらにスマホでも書けるようになったら、いっきに作者も読者も増えそうですね。
 作り方さえ慣れれば、小説よりだんぜん敷居が低いと思うのです。
 そうなったら私の作品なんかすぐ埋もれていってしまうでしょうが笑。
 それでも全然構わないので、とても素敵な場所、もっと盛り上がって欲しいなと思う今日この頃です。


 さてさて、次回作ですが、四大天使は全部違うジャンルで試してみたいと思っておりまして、ストリエのジャンル分けでは男性向け、女性向け、と作ってきたので、残るはノンフィクションを!
 と、思ったのですが、天使が出てくる時点でノンフィクションは不可能なことに気付きました。
 というわけで次回お告げの天使ガブリエル、私の本業をネタに元々やりたかった変なのを下書き中です。
 お茶濁し程度ですが、よろしければまたお付き合いくださいませ。


 重複しますが、素敵な作品を使わせていただいたイラストレーター様、お読みいただいた皆様、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
 誠にありがとうございました。

 これからもストリエの発展と、イラストレーター様、ストーリー作者様の投稿を楽しみにしております。
 ぜひ読者の皆様も、執筆にチャレンジしてみてください。

それではまたいつか……

すずろ

epilogue『忘れていた記憶』

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