兄…


頭を悩ませていたら、公園の入り口から真っ白な青年が近づいてきた。
兄さんより背は高く、スラッとした体系で同性から見ても格好良い。

テイぃーっ!遅い遅い遅いぃーっ!!

弟、此処よろしく

了解

弟…?


この、青年が…?
俺の知っている弟は、真っ白で長い髪の小さな女の子だ。
性別も体格も全く違う。
別人か…?
公園は元に戻り、火も消えている。

潤壱、家においで

兄さんの言葉に頷くと、少年と共に露草に抱えられる。

一緒にすき焼きを食べたあの日のように、建物の上をぴょんぴょんと跳んでいく。
兄さんと弟も同じように移動していた。




たっだぁいまーっ!!

ぉー、おかえり

お、お邪魔します

いらっしゃい


地下に入ってすぐ、露草の声に答えるおじさんがいた。
前に来たときはいなかったはずだが…。

あぁ、彼のことは気にしなくて良いから

ぉー、気にすんな気にすんな


男性はすぐに奥の部屋に入ってしまった。
一先ず、兄さん達とソファに座ってゆっくりお茶を飲む。

さてと

ケイケイケイぃーっ!!こいつどうするぅー?

いつもの部屋に入れといて…

了解ーぃっ!!

さてと


兄さんは話し出そうとキリっとした顔で俺を見たが、間に露草が入ってしまった。
仕切り直してキリっとした顔をし直す。

は、はい

これからも色々と巻き込むことがあるかもしれないから、説明しておくね

はい…

まず、さっき言った創造神は俺と弟の父親なんだ。父さんについては…、別にいいか

とりあえず、俺は創造神の力を持ってるってこと


だから、教室を直したり突然青年になったりしたのか。
父親が同じなら、兄さんも?とは何となく聞けなかった。

あの少年は、本当にもうどうにも…?

うん、残念ながら

そうですか…

ぷっ、ははっ

ぇ…?


兄さんが突然腹を抱えて笑いはじめた。

あはははっ

兄さん…?

ごめんね、意地悪した


目尻に涙を浮かべてそう言うが、何故笑われたのかわからない。

露草ね、人の精神は食べれないんだ

それは、どういう…

眠らせてから身体をバグごと食べて、後で弟が身体を作り直して精神を入れる

ぇ…

だから、あの子は死なないよ。能力を無くすだけ


安心したのか、全身の力が抜けるようだった。
そのままソファに横になる。

…っい

ほっとしたと同時に、腕の痛みを思い出した。
まだ赤く、少し腫れている。

あぁ、ごめんね…。痛かったよね…

腕出せ

言われたとおり弟に腕を見せると、傷はすぐに治る。

兄さん、もう治りましたから…

俺が潤壱をおとりにしたからだ…

兄さんが悪いわけではないのに、落ち込んでしまった。

き、気にしないでください…


完全にしょんぼりしてしまい、重たいため息を吐いている。

ほっとけ


弟は慣れているようにそれだけ言って、俯く兄さんの背を撫でている。







ねぇ、お兄さんっ


数日たったある日の朝。
学校に行く途中声をかけられた。
黒いランドセルを背負った男の子で、よく見るとあのバグ持ちの少年だった。

前に何処かで会わなかった…?

気のせいだろ


前に比べて顔色が随分良くなっている。

おいっ、優太っ

ぁ、ごめんっ!今行くよっ

じゃぁな

うん、ばいばいっ

少年は友達に呼ばれて行ってしまった。
純粋な笑顔で駆けて行く姿からは、あの日の面影は見られない。

俺は調度近くにあったあの公園を見て、学校へ向かっている途中だったのを思い出しまた歩き始めた。







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