一週間以内。

それは明日かもしれないし、明後日かもしれない。

一週間以内に彼女は死ぬ。

このような宣告を受けて一日がたった。


あと六日以内に亜里沙は死ぬ。


それだけは避けなければならない。


クローンだから、どうせ次のクローンが来る。
そんなことで俺は彼女の死を許容できない。


彼女が死ぬ。それ自体が俺にとっては自分の死より重い。


もう彼女を死なせてはならない。

昔、亜里沙はいじめれていた。


しかしそれは弱かったからではない。


彼女は正しかった。正義だった。


ゆえにいじめられた。


それでも彼女の正しさは曲がることはなかった。


俺は憧れた。その正しさを。その正義を。


まるで戦隊ものを見ている感覚だった。


けれど正義はいつも負けていた。


だから俺は守りたいと思った。その正しさを。


そして亜里沙を。




そうしてきたはずなのに亜里沙は何度も死んでいた。


俺は何も守れてなんかいなかった。


だから俺は今度こそ守る。


絶対に死なせない。

……………………………

………………………

そして俺は自分の無力さを知る。

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