エイミさん、今日は特別授業で半日だからお弁当いらない――あっ

エイミ

もう作ってしまいました。

ごめん、言うの遅かったわね……じゃあいいわ、持ってく。

エイミ

あああなんてことでしょう。恵さん、不肖エイミを叱ってください。この、役立たず。ぐず、のろま。

何キャラよ……

とにかく。終わった後にみんなで食べるから少しくらい余分にあったっていいのよ。……エイミさんのお弁当、かわいいって評判なんだから。

エイミ

えっ評判とは。

あなた、わざわざウインナードッグとかトマトお化けとか仕込むじゃない。ああいうの欲しがる子いるから、いつも分けてんのよ。

エイミ

お弁当は恵さんが必要とするカロリーに基づく厳然たる計算により設計されています。全部食べて頂けなければアウチ、恵さんのすこやかな成長に多大なダメージが!

大げさな……おかずを1個か2個の話よ? それくらい大目に見てよ。

エイミ

かくなる上はご友人を消去して、譲渡対象をデリートするしかありません。明日、エイミも学校に行って――

や  め  ろ

まったく……何でお弁当の話でこんな危険な話が出てくるのよ。

あのさ。エイミさんがあたしの事を守ってくれてるのはわかんのよ。それだったら、友達のことだって守って欲しい――友達だって、大切なあたしの世界、なんだからさ。

エイミ

できません。

……理由を聞きましょうか?

エイミ

たとえどれだけ親しい友人だとしても。人は、心変わりが可能な生き物。いずれ恵さんを害する者に様変わりする可能性はどこにだって。

ふん……喧嘩が怖くてつるんでられますか。いい? かなちゃんや他の友達に手を出そうもんなら、エイミさんでも許さないわよ。

エイミ

ならば戦いですね。どうか、エイミの魔の手から、ご友人を守り切ってくださいませ。それが、エイミの望みです。

14 お弁当:残さないようにするのも気を使ってんのよ

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