家に入り、ダイニングに案内された。
昔、よく遊びにきたものだ。
えー文也もう行っちゃたんですか!
ごめんなさいねー
今日は朝ごはんも食べないで先行っちゃったみたいなの。
わかりましたー!
ありがとうございます。
はい。どちら様でしょうか。
すみません文也です。
安藤文也です。
文也くん?ごめんね亜里沙なら先に…
いえ、そのことではなく…
クローンって知ってますか…
……………………
あがってらっしゃい。
……はい。
家に入り、ダイニングに案内された。
昔、よく遊びにきたものだ。
やあ、安藤君久しぶりだね。
…ご無沙汰してます。
さあ、そこに座って。
促された席に座る。
亜里沙の両親と向き合う形となった。
あの……今の亜里沙がクローンって本当ですか?
………ああ、本当だ。
聞きたくなかった。
信じたくなかった。
そんなものは眉唾だ!と一蹴してほしかった。
…なんで……
自分の娘をクローンにしたんですか…
………亜里沙と一緒にいる方法はあいつらのクローン技術を受け入れるしかなかった。
幼い亜里沙が死んでいなくなるのが耐えられなかったの…
幼い?亜里沙は一昨日死んだんじゃ……
あの亜里沙は15人目だ。
え…?
最初に亜里沙が死んだのは8歳の時よ。
次が13歳のとき、14歳の時に3回
そして今年になって10回よ。
じゃあ、これまで一緒にいた亜里沙はすべてクローン……?
ええ………そうよ。
隣にいた亜里沙は死に続けていた?
そんなことがあってたまるか。
亜里沙はなんども痛みを繰り返し、また何も知らないまま死んでいく。
そ……んな…はず……
…すべて真実だ。
あり……えない…
そうだ……ありえない!
そもそも15回も死ぬなんてありえない!!
こんなもの嘘っぱちだ!!!
私たちだって守ろうとしたさ……
だがすべてが無意味だった。
それがまるで運命のように亜里沙はなんども……
死に続けた。とかすれた声で言った。
亜里沙の両親はもうすでに泣いていた。
……俺はこんなの認めない。
絶対に亜里沙を死なせない。