ああ、同じ小説を読んでたってやつか。
急に声出すからびっくりしたんだっけ。
ずっと好きでした……
ずっとって……お前いつから……
きっと……電車で初めて喋った時から……
ああ、同じ小説を読んでたってやつか。
急に声出すからびっくりしたんだっけ。
俺はもっと前からお前の事知ってるぜ……
ごめんなさい……それより前は記憶が曖昧で……
俺のどこが好きなんだよ
最初は……美形だなーって思ったぐらいで、そこまで意識してなかったはずなんだけど……
一緒にはしゃいだり、守ってくれたり……冷たいかと思ったら優しかったり、子供っぽかったりして……
色んな気持ちをくれた……誠人くんが好き……
私を見つけてくれた……誠人くんが好き……
私の日常は誠人くんで溢れているから……
この気持ちは、もう消せない……
これからは私から……誠人くんに何かしてあげられる人になりたい……
付き合ってくれませんか……?
……
ごめん……
そっか……
でも、今度は心から言えた……
最初と違う……ほんとの告白だから
聞いてくれてありがとっ……
杏月……
杏月……俺は……
お前の事は人として好きだ。……けど
忘れられない女がいるんだ……
真帆さん……って人?
ああ……
絶対に忘れられないんだ
お前のしぐさや、声や、世話焼きなところとか……
色んなところで真帆を重ねてしまう俺がいる
きっと……真帆の代わりを求めてしまう……
最低だろ……?
……二番目……
二番目じゃ……やだよ……
ああ……
だから……ごめん
うん……