急いで家からでるとすぐにスマートフォンを確認した。

………!

昨日の着信履歴が残っている。

それに日付も合致している。

あのことは夢なんかじゃない。






じゃあ目の前にいる亜里沙は……

ねえってば!

!!

さっきからどうしたの?
すごく顔色悪いし。

いや、なんでもない。

亜里沙こそなんかないの?
……昨日とか。

昨日?とくになかったんじゃない?
なんで私なの?

質問を返された亜里沙が不思議そうに首をかしげる。

…元気なのかなーって

毎日会ってるのにそれを聞きますか

それより急ご!
遅刻するよ!

おう…

いつものと変わらない亜里沙だった。

もう一度会えた嬉しさ
なぜ生きているのかという疑問

この二つが混ざり合いどうしようもない気持ちになる。

昨日と同じ番号からだ。

この電話の主なら何か知っている。
そんな確信があった。

もしもし

放課後、駅前の喫茶店に一人で来い。

そう言うと電話は切れてしまった。

放課後、

亜里沙には用事があるから一人で帰ること

事故には気を付けることを言い渡し

一人で駅前に来た。

店に入ったら左から三つ目の席に座れ。

このような指示があったので従っておいた。

しばらくすると、スーツ姿の外国人の男が相席してきた。

がっちりとした体に少し動揺したが何とか抑えた。

君が文也くんだね。

はい。

私は名乗ることができない。
「ミズタニ」と呼んでくれ。

何故、『私たち』が君を呼んだかわかるかい?

………亜里沙のことですか?

ああ、そうだ。
彼女にはある実験に参加してもらっている。

…実…験…?

いったい亜里沙になにをしたんですか!

今からそれを君に説明しようと思ってね。
これから起こることに対する説明でもあるんだよ。

これから?

また何かおこるのか、どういうことかわからない。

質問続きで悪いんだが、

君は運命を信じているかね。

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