亜里沙あああああああ

もはや肉塊となった少女は応えない。

自分ですら何も聞こえない。

今はきっと彼女の声しか聞こえなくっている。

そのあと警察にいろいろ聞かれたが何も答えられなかった。

帰りが遅くなり両親は心配し、何かあったのかと尋ねてきたが何も喋ることもできなかった。

スマートフォンの着信音だ。

亜里沙からという淡い期待を抱いて通話ボタンを押す。

今日のことは誰にも話すな。

知らない電話番号だった。

元から話す気にもなれない。

もう今日は疲れた。

寝よう。

朝になった。

学校は休もう。

母さんも事情を知ったらわかってくれるだろう。

文也ー!もう亜里沙ちゃん来てるわよ!早くおりてらっしゃい!

早く降りて休む意思を伝えるか。

…亜里沙?

急いで階段を駆け下りる。

文也おっそーい!

え、なんで……

なにハトが豆鉄砲くらった顔してんの!
早く準備して!

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