杏月ちゃん! 誰この男子!?

 約束の日曜日。
 私たちは駅の待ち合わせ場所に集合した。

や、ほんとにどうして……?

ちっ、裕貴のやつ……

 そこにはなぜか堀坂誠人の姿があった。

めちゃイケメンじゃん!!

あ、こいつ高井希衣子(たかいきいこ)。オレの同クラ女子

はっ、はじめまして……西岡杏月です

なるほどこの子が秋の片思……

ぶわー!!! 今日も良い天気だな! 杏月ちゃん!!

 秋はぶんぶん手を振り回しながらそう言った。

そうだね……

 今朝、急に裕貴くんから行けなくなったとの連絡があった。
 遊園地、四人分のチケット買ってもらっちゃってるよ、と言うと、じゃあなんとかするよとのことだった。
 こうゆうことだったんだ。

こちら、同じ学校の堀坂誠人くん……

どうも

 ぎょっ。
 ふてくされるのかと思ったらちゃんと笑顔できるんじゃん。

 すると誠人くんは私の耳元で呟く。

おい、ぼた子。もう帰っていいか?

えー!!

裕貴にハメられた

 やっぱ怒ってる感じだ。

こらそこ! 何こそこそ話してんだ! うらやましい!

わりぃわりぃ。本当は違う奴が来る予定だったんで、状況がわかんなくて

誠人くん、無理やり代役にされたみたい

そっか、じゃ、帰っていいぞ!

……

いいじゃん! きっと楽しいよ!?

ほんとだよ宮川。前売りチケットも四人分買ったんだし

帰っていいぞ!

……

今日はよろしく、高井さん

 さっと高井さんに握手を求める誠人くん。

あ、よろしくー!

 出た、堀坂誠人の負けず嫌い。
 てか、なんか私への対応と違くない!?

ぼた子、お前のせいだからな

ひゃい!?

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