…………

 ケンちゃん? 
 どしたの? 

よく晴れた日曜の昼下がり、
キッチンで立ち尽くしている、
大きな背中に声を掛ける。

ん、いや~……
減ってるな、と思って。 

? 何が? 

 これこれ。 

そういう彼が指差す先を、
背中越しにひょいと覗き込むと。

 ――砂糖と、塩? 

そう。
日曜の食事当番はオレでしょ?
だからなんか作ろうと思って数日ぶりに
持ち上げてみたら、結構減っててさぁ?

おっと、これは
「あっちゃん毎日使いすぎ!」
という私に対する文句かな?

と、思いきや、
ケンちゃんの声は弾んでいて。

いや、なんかさあ?
一人んときは全然減らなかったからさ?

あー、あっちゃんと一緒に
暮らしてんだなあ、ってさぁ~

………………――

 ~~~~~~~ッ!! 

おのれ、かわいい奴め!

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