美家 王子(びいえ おうじ)

コウ!
いい天気だから
屋上で昼ご飯食べよう

責田 好(せめだ こう)

お前とは絶交したって
言っただろ!
騎士先生と食べろよ!

美家 王子(びいえ おうじ)

あっ、コウ……!

美家 王子(びいえ おうじ)

(引き留める間もなく
走って行ってしまった)

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

こんにちは、BL王子

美家 王子(びいえ おうじ)

あ、藤吉さん

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

今、責田くんがものすごい
速さで駆け抜けて
行きましたけど……。
何かあったんですか?

美家 王子(びいえ おうじ)

この前の絶交設定を
まだ引きずってるみたいで、
俺とは昼ご飯
食べたくないんだって

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

ああ!
BL王子が自宅の部屋で
騎士先生とイチャついてるのを、
本妻の責田くんが目撃して
実家に帰ってしまった件ですね!

美家 王子(びいえ おうじ)

前々回のあらすじを
説明する振りをして、
嘘を言わないでくれるかな?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

あっ、そうですね。
責田くんは攻めだから、
妻はBL王子の方でした!

美家 王子(びいえ おうじ)

(いちいちつっこむ事が
無駄に思えてきた……)

美家 王子(びいえ おうじ)

そうだ、藤吉さん。
お昼一緒に食べない?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

いいんですか?
BL王子が一人になったのを
絶好のチャンスとばかりに、
お昼に誘おうとしている
男子がいるかもしれないのに……

美家 王子(びいえ おうじ)

そ、そんな人いるわけないよ。
もしかして俺と食べるの、
嫌だったりする?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

ふふっ、嫌なわけ無いですよ。
さあ、行きましょう?

美家 王子(びいえ おうじ)

あっ……うん!

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

(……チッ!
王子が一人になったから
昼メシに誘おうと
思ってたのに!)

 

…………

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

うわっ、なんだテメエ!
そこで何してんだ?!

 

何をしている、
と言われても……。
好きな子を見てたらダメなのか?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

好きな子……?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

(こいつも王子が
好きなのか?!)

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

テメーッッ!
あいつは俺のだぞ!!

 

俺の……?
あの子と付き合ってるのか?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

そ、それはまだだけど。
でも近いうちに必ず、
あいつを俺の物に……

 

知ってるか?
恋人でもないのに
自分の物のように言うのは、
ストーカーって言うんだぞ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

番長の上にストーカーって
レッテルまで張られた!

 

いっちょ前に傷つくなよ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

クソッ!
あいつの彼氏になれば
ストーカー呼ばわり
されなくなるんだろ?!
……見てろよっっ!!

 

あっ!
何をする気だ!!

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

今日は本当に
いいお天気ですね

美家 王子(びいえ おうじ)

そうだね。
天気のいい日に
外でご飯を食べると、
いつもより美味しく感じるよ

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

ふふっ、そうですね

美家 王子(びいえ おうじ)

(こうして改めて見ると、
やっぱり藤吉さんって
可愛いよなあ)

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

どうかしました?

美家 王子(びいえ おうじ)

あっ……い、いやっ!
そのお弁当おいしそうだなって、
思ったんだ。
お母さんに作ってもらったの?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

いいえ、自分で作ってます。
弟の分も作ってるんですよ

美家 王子(びいえ おうじ)

すごいなあ!
料理、上手なんだね

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

そんなことないですよ

美家 王子(びいえ おうじ)

(藤吉さんって可愛い上に、
料理もできるなんて
完璧だよなあ)

美家 王子(びいえ おうじ)

(俺が男に迫られてるのを見て
喜んでるところが
玉に瑕(きず)だけど……)

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

おいっ!
王子!!

美家 王子(びいえ おうじ)

うわっ、暮男!
ビックリさせるなよ

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

あ、この学校の番長さん

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

うるせえ!
俺の名字は番長だけど、
番長じゃないって
言ってんだろ!!

美家 王子(びいえ おうじ)

相変わらずややこしいな。
……で、何の用?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

四の五の言わずに
俺の彼女になれ!

美家 王子(びいえ おうじ)

……はい?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

白昼堂々、告白?!
大胆ですね!

美家 王子(びいえ おうじ)

ね、念のため聞くけど、
藤吉さんに告白してるんじゃ
ないんだよな?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

お前だよ!
王子に彼女になれって
言ってんだよ!!

美家 王子(びいえ おうじ)

いや無理だし

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

なんでだよ!
俺の何が不満なんだよ!

美家 王子(びいえ おうじ)

俺は男だから、
彼女になるのは
どう考えても無理じゃないか?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

だったら彼氏に
なればいいだろっ

美家 王子(びいえ おうじ)

えぇ~……。
そんな無茶な……

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

責田くんや生徒会長さん、
それにうちの弟や人気モデルからも
申し込まれてますからねえ?

美家 王子(びいえ おうじ)

いやそういう事じゃなくて

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

細かいこたぁ
どうだっていいんだよ!
いいから早くOKしろよ!

美家 王子(びいえ おうじ)

何をそんなに
焦ってるんだよ?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

お前が俺のモノにならないと、
俺がストーカーに
なっちまうんだよ……

美家 王子(びいえ おうじ)

はい?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

いいじゃないですか。
美少年同士のストーカー案件なら、
私は大歓迎ですよ?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

うるせえ!
お前の意見は聞いてねえ!

美家 王子(びいえ おうじ)

暮男……。
昔はこんなわけわかんないこと
言う奴じゃなかったのに……

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

わけわかんないって
どういう意味だよ!

美家 王子(びいえ おうじ)

俺はお前のこと、
ストーカーなんて
思ったことないよ。
誰がそんなこと言ったんだ?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

それは……

 

僕だよ

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

あっ、同じクラスの
二里我 嵩己(ふたりが すうき)くん

美家 王子(びいえ おうじ)

次から次と人が来るなぁ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

テメエ……。
俺の王子に
目ぇつけてんじゃねえぞ!

美家 王子(びいえ おうじ)

俺はいつから
お前のモノになったんだ……

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

何かとんでもない
勘違いをしているみたいだけど、
僕が好きなのは……

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

そこにいる女の子、
藤吉 姫さんだよ

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

…………

美家 王子(びいえ おうじ)

(そういえばこの人、
前に校舎裏で藤吉さんに
告白してた人じゃないか?)

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

嘘つけ!
さっきは王子のことを
頭からつま先まで舐めるように
見てただろ!

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

それはお前だろ

ギクッ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

おっ、おっ、俺は
王子をそんな目で
見たりしてねえっっ!!

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

そう言いながら、
顔が真っ赤ですよ?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

テメエはさっきから
うるせえんだよ!

美家 王子(びいえ おうじ)

あの……。
二里我くん、だっけ?

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

なに?

美家 王子(びいえ おうじ)

何がなんだか
わかんないんだけど、
状況を説明してもらえるかな?

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

僕が藤吉さんを
目で追っていただけで、
番長に因縁をつけられたんだ

美家 王子(びいえ おうじ)

人様に迷惑かけるの
やめろよ暮男……

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

ち、違う!
俺はてっきりそいつが、
王子を好きなのかと思って……

美家 王子(びいえ おうじ)

そりゃまた
すごい勘違いだな

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

それで……。
そ、その……

美家 王子(びいえ おうじ)

なんだよ?
早く続きを言えよ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

あいつは俺のだぞ!
って言ってやったんだ

美家 王子(びいえ おうじ)

だから、俺はいつから
お前のモノに……

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

そうしたらそいつが、
『恋人じゃないのに
自分の物のように言うのは、
ストーカーだ』って言うから!

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

それで告白したんですか?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

そうだよ。
恋人になればストーカーじゃ
なくなるだろ?

美家 王子(びいえ おうじ)

な、なんていう
くだらない理由……

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

くだらなくなんかねえ!

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

そうです!
くだらなくなんかありません!
番長さんは正しいですよ!

美家 王子(びいえ おうじ)

いや、あの、ちょっと待って。
その理屈でいくと、
二里我くんもストーカーって
ことにならない?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

そういえばそうだな。
おいテメエ、俺に謝れ!

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

僕はストーカーじゃないよ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

なんでだよ!

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

だって僕は純粋に
藤吉さんが好きなだけで、
自分の物にしようとなんて
思ってないし

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

おかしい……

美家 王子(びいえ おうじ)

えっ、何が?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

だって一度お断りしたのに、
二里我くんはまだ
私を好きなんですよ?

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

う゛っ

美家 王子(びいえ おうじ)

(ふ、藤吉さん……。
何気にキツイ)

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

ずっと好きだったんだから、
そんなにすぐ気持ちは
変わらないよ……

美家 王子(びいえ おうじ)

二里我くんは
藤吉さんの本性を知らない
からね……

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

は?

美家 王子(びいえ おうじ)

なんでもない

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

私がおかしいと言ってるのは、
二里我くんがBL王子を
好きにならないことです!!

美家 王子(びいえ おうじ)

(またおかしなこと
言い出したぞこの子)

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

ふ、藤吉さん。
キミは何を言ってるんだ?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

だって今まで、
BL王子を見て好きにならなかった
男性なんていないじゃないですか!

美家 王子(びいえ おうじ)

いやいやいや、一杯いるから!
好きになる方がおかしいから!

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

俺はおかしくねえ!

美家 王子(びいえ おうじ)

暮男は後で相手してやるから
黙っててくれよ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

本当か?
黙ってたら一緒に
帰ってくれるのか?

美家 王子(びいえ おうじ)

あー、うんうん。
わかったよ一緒に帰るから

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

約束破ったら
ぶっ飛ばすからな!

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

BL王子……?
責田くんがいない隙に
浮気ですか?!

美家 王子(びいえ おうじ)

藤吉さんはこっちに
気をとられてないで
話を続けてよ

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

……ねえ、今の本当?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

今のって何がですか?

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

だから、その人が出会った男に
すぐ惚れられるって話。
藤吉さんの誤解じゃないの?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

本当ですよ!
この美家 王子くんことBL王子は、
私なんかより数億倍男の子に
モテモテなんですから!

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

お前、それ自分で言ってて
空しくならないのかよ

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

なりません!

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

(ハッ!!
なんだこの女の目は……。
迷いの無い純粋な瞳だッッ!)

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

美家……だったよな。
キミ、男にモテるんだ?

美家 王子(びいえ おうじ)

う、うん。
認めたくはないけどね

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

へえ……。
(じーっ)

美家 王子(びいえ おうじ)

(まさかこの流れは!!)

美家 王子(びいえ おうじ)

俺を好きになるのは
やめてくれっっ!

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

…………はあ~?
キミ、頭大丈夫??

美家 王子(びいえ おうじ)

えっ……。
だって、俺を好きになったから
見つめてたんじゃ……

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

やめてくれよ。
『こんなのどこがいいんだ?』
と思って見てたんだよ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

俺の王子に向かって
『こんなの』とは何だコラッ!!

美家 王子(びいえ おうじ)

暮男、ハウス!

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

俺は犬じゃねえ!

美家 王子(びいえ おうじ)

おとなしくしてないと
一緒に帰んないぞ?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

うっ……

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

ワンコ攻め可愛いですね

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

だからお前は黙ってろ!
妙なカテゴライズ
するんじゃねえ!

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

藤吉さん、
一つだけ聞いてもいい?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

なんですか?

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

キミたち付き合ってるの?

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

えっ……。
付き合ってませんよ?
私とBL王子は友達です

美家 王子(びいえ おうじ)

ははは……

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

へえー、そうなんだ!
良かった!

美家 王子(びいえ おうじ)

(二里我くんは藤吉さんを
あきらめきれないんだな……。
なんか複雑な気持ちだ)

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

それじゃあ教室に戻るよ。
またね!

藤吉 姫(ふじよし ひめ)

はい、また教室で~

美家 王子(びいえ おうじ)

はあ……。
やっとご飯を食べれる……

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

美家もまたな!

美家 王子(びいえ おうじ)

えっ?
あ……う、うん

美家 王子(びいえ おうじ)

(コウのやつ、まだ怒ってたぞ。
今日は一人で帰るか……)

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

王子!
テメエ、よくも黙って
帰りやがったな?!

美家 王子(びいえ おうじ)

あ、暮男。
なんか約束してたっけ?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

おとなしくしてたら
一緒に帰ってくれるって
言っただろ!!

美家 王子(びいえ おうじ)

あ、ゴメン……。
忘れてた

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

お前ってやつは、
どうしていっつも俺を
どうでもいい奴みたいに
扱うんだよ?

美家 王子(びいえ おうじ)

何言ってんだよ。
どうでもいいなんて
思ってないよ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

だって他の奴とはキスしたのに、
俺とはした事ないだろ!

美家 王子(びいえ おうじ)

だからそれは、
不意打ちでキスされたって
説明しただろ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

俺にはそんな隙
見せねえくせに!

美家 王子(びいえ おうじ)

あーもう、うるさいなあ。
わかったよ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

えっ……?

美家 王子(びいえ おうじ)

ギュッ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

な、なんだ?
急に抱きしめたりして……

美家 王子(びいえ おうじ)

よしよし、落ち着け

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

どうして背中をポンポンと
優しく叩くんだよ?

美家 王子(びいえ おうじ)

いや……。
こうされたら結構
安心するもんだなって、
この前思ったから

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

この前思った……?
王子、お前……
誰かに抱きしめられたのか?

ギクッ

美家 王子(びいえ おうじ)

あ、えーと……。
漫画にそういう話が
あったんだよ!

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

なんだ、そういうことか

美家 王子(びいえ おうじ)

(装一さんのこと話したら、
また暮男が騒ぐから黙っとこ)

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

なあ……。
こうして抱き合ってるんだから、
この先もいいんだよな?

美家 王子(びいえ おうじ)

ス、ストーップ!!
顔を近づけてくるな!

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

なんでだよ!
キスくらい、いいだろ!

美家 王子(びいえ おうじ)

それをしたくないから
背中を撫でたんだろ。
はい、もうおしまいっ

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

チクショー……。
じゃあ、せめて手つないで
帰ろうぜ

美家 王子(びいえ おうじ)

手をつなぐ……?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

昔はよくつないだだろ?

美家 王子(びいえ おうじ)

それは幼稚園の話じゃ……

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

小学校に行ってもつないでた!
忘れんなよ!

美家 王子(びいえ おうじ)

はいはい、わかったよ。
ワガママなところは
全然変わってないな

美家 王子(びいえ おうじ)

……これでいいんだろ?

番長 暮男(ばんちょう ぐれお)

あ、ああ。
今日のところは、
手をつなぐだけで許してやる

美家 王子(びいえ おうじ)

今日のところは、って。
はあ……

美家 王子(びいえ おうじ)

(暮男と手つないで
帰ってるところ、
誰かに見られないと
いいんだけど……)

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

(美家と番長が、
手をつないで帰ってる……。
あの二人は
どういう関係なんだ?)

二里我 嵩己(ふたりが すうき)

(くそっ!
僕が好きなのは藤吉さんなのに、
どうして美家のことがこんなに
気になるんだよ!!)

第7話 二里我くんが好きなのは…?

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