アキ

愛妻弁当です

先生

おー

アキ

愛する妻が作ったお弁当です

先生

おー…

アキ

……

先生

……

アキ

アナタの愛する──

先生

分かった!分かったから!

アキ

何が分かったのでしょうか?

勇者

……

和真

……

そら

……

先生

朝っぱらから見せつけるのも良くないよ?

勇者

平然とノロケたり照れたり忙しい人だな…

和真

ポイントがどう違うのかよく分からない…

そら

お姉様の朝食美味しい♪

先生

オレは行くけど…勇者くんホントに一緒に行かないの?

勇者

まだ時間も早いですし、そもそもこんな人と一緒に登校したくないです

先生

先生寂しい!勇斗くんは一緒に登校してくれたのにっ!

勇者

天はお優しい方ですからね

先生

……

アキ

いってらっしゃいませ

先生

行ってきます…

勇者

……

アキ

……

勇者

魔女様は一緒に行かないんですか?

アキ

お見送りをするのがいいのではないですか

勇者

私も天を毎日お見送りしたいです

アキ

勇斗の家の前で張り込むようなことはしないように

勇者

分かってます

アキ

……

和真

錫さんに聞いていいですか?

勇者

何ですか?

和真

錫さんって剣と魔法のどっちが得意だったんですか?

勇者

どちら…ということはないですね。状況に応じて使ってましたし

和真

ふーん

アキ

何ですか?どちらかを学びたいのですか?

和真

今は錫さんの話してるんで…

勇者

大賢者様が魔法中心でしたので、接近戦になった場合は私が主に戦っていましたし、魔法戦も補佐をしていました

アキ

魔法は補助タイプが得意だったのですか?

勇者

とりあえず一通りはできましたので、得意と言えるようなものは…

アキ

さすが勇斗とヴァイゼのハイブリッドですね

和真

だから孫じゃないですって…

勇者

ところでそらさん

そら

何ですか?

勇者

いくら魔物がいない世界だといっても、女性が一人でふらふら出歩くのは感心しません

アキ

それもそうですね。昨日のように帰りが遅くなると心配するかもしれません

和真

『かもしれない』なんですね…

勇者

あなたにもしものことがあったらどうするんですか?

そら

もしも…?

勇者

大賢者様が悲しみます!!

アキ

……やはりそっちなのですね

そら

ご、ごめんなさい…

勇者

そらさんにもしものことがあれば私が将来あの世で大賢者様にボコボコにされますよ!大賢者様の口撃がどんな感じなのか知ってますよね!?

そら

ふえぇ…ホントにごめんなさい!

アキ

少年もヴァイゼにやられたクチですか…

勇者

大賢者様には敵わないと思いました…

和真

ヴァイゼさんってどんな人だったの!?

勇者

もしお一人で出掛けるようなことがあれば、私に言ってください。お守りします

そら

え?

アキ

少年が学校に行っている間はどうするのですか?学校を抜け出すつもりですか?

勇者

ビアンカを向かわせます

そら

ビアンカ?主人公の幼馴染で天空の──

アキ

ビアンカ違いです

和真

白猫さん!

そら

白猫さん?

アキ

そらは会っていませんでしたか?

勇者

魔女様や大賢者様には到底敵いませんが、それなりに強いので安心してください

そら

アキ

つまり、ビアンカという名の白猫があなたを守ってくれる…ということです

勇者

基本的には姿を見せませんが、ご希望であれば話し相手にしてもいいです

そら

はあ…

勇者

そのためには、そらさんと連絡先を交換しておくべきですね!

アキ

それが目的だったのですか…?

勇者

はい!

アキ

……

そら

よく分からないけど…連絡先を交換するくらいならいいですよ♪

ビアンカ

やりましたね勇者!

勇者

やってない…。
大賢者様のスマホにもそらさんのスマホにもデータが残ってた

ビアンカ

でも連絡先を交換する予行練習としては十分だったじゃないですか?

勇者

そうだな…

ビアンカ

勇者

そらさんは…もう繋がることもない大賢者様のデータを消さずに……ずっと残してくれていたのか…

ビアンカ

消すの面倒くさかっただけなのでは?

勇者

元カレという人のデータは消してたらしい

ビアンカ

……

勇者

大賢者様…そらさんはあなたのことを忘れていませんでしたよ……

ビアンカ

伝えて差し上げたいですね

勇者

ああ……そうだな

ビアンカ

……勇者

勇者

……

ビアンカ

勇者!ぼんやりしてないで学校にちゃんと向かってください!

勇者

今日は大賢者様が通っていた図書室へ行ってみよう!

ビアンカ

授業をサボるのはダメですよ?

勇者

サボってこそ大賢者様に近付ける!

ビアンカ

ダメですって!魔女様に怒られても知りませんよ!?

勇者

天だって転校早々サボったと聞いたから問題はない!

ビアンカ

ダメなところまで真似しなくていいですから!!

ということで、少年はサボる気満々のようです

先生

あー…うん、オレもいつもサボってるから人のこと言えないけどね…

今日は教室へ行く気はないのですか?

先生

そうだねー

本当に人のこと言えませんね

先生

今日はずっとお前を傍に置いておきたい

……存分にサボってください

先生

オレ以外に姿見えないんだからサボる必要はないですよー?とか言わないの?

お昼寝をするのでしたら、どうぞ私の肩でも膝でもお好きに使ってください

先生

人の話聞いてる!?

私のすべてはアナタのものです

先生

聞こう?ね?人の話聞こう!?

つづく

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