先生

これ以上行くと勇者くんにはオススメできなお店ばっかりになっちゃうね

勇者

アキ

飲み屋街ということですね

先生

ちょっと大人のお店もありますよ

和真

大人のお店?

先生

そこは突っ込んで聞いてくるな

和真

じゃあ言わないでください

勇者

天と一緒に行ってもいいですか?

先生

ダメです!人の話はちゃんと聞きましょう!

勇斗

先生っぽいこと言ってますね

先生

先生ですが?

アキ

そうでしたね

先生

何でお前がそういう反応するのよ?

先生

役所とか図書館とかはだいぶ向こうだから、興味があるなら自分で調べて行って

勇者

そこは投げるんですね…

先生

だって基本的にそんな場所に用なんてないもん

アキ

次に役所に行くのは離婚届を貰いに行くときですね

先生

離婚しないから行かないよ?

アキ

……

先生

あ、そうだ。勇斗くんまた飲みに行こうよ!

アキ

……

勇斗

機会があれば…

先生

お前の『機会』はアテにならんからな…

勇斗

こうして頻繁に会っているのに改めて飲みに行く必要はないと思います

先生

別にいいじゃん

勇斗

何でもない日にお酒を飲む必要はないので…

先生

ザルのくせに……

アキ

お昼はどうしましょうか?

先生

ケーキ食ったのにまだ食うの…

勇斗

あれが昼食代わりではなかったんですか!?

アキ

ケーキはケーキで、お昼はお昼です。別扱いです

勇者

……魔女様意外と食べるんですね…

アキ

みつと比べれば可愛いものですよ?

先生

みっちゃんのほうが可愛い

アキ

……

先生

え?何その効果音と背景!?

勇斗

……先生に同意するが黙っていよう…

勇者

天のほうが可愛いです!!

先生

お前は黙れ!

和真

勇斗さんのことをヴァイゼさんから聞いて、お世話したいっていうのは分かりますけど…錫さんちょっといきすぎじゃないですか?

先生

真性の変態なんだろ

勇斗

世話したいのが分かる、とは…?

先生

お前男の母性本能くすぐるフェロモンでも出してんの?

勇斗

は?

アキ

真面目ですし、しっかりしているとは思うのですが…

和真

何となく『大丈夫かな?』って思うときあるよね?

アキ

そうですね

勇斗

……

先生

オレは?

アキ

不真面目ですし、だらしないですし、いい年してるのに子供のようですが…

和真

完全に『この人大丈夫じゃないな』って諦められます

先生

この違いである…

勇者

天は私の憧れであり、目標であり、生きる意味です!

先生

最後のが分からん

勇者

……大賢者様が成せなかったことを私はしたいんです

勇斗

……

勇者

こちらで皆さんと幸せに過ごすことだって出来たんです。でも大賢者様はそれが出来なかった…。
だからせめて、大賢者様の後継者として出来るだけ遣り残したことを私が引き継ぎたい……

勇斗

くだらないな

勇者

……

勇斗

それに、その言い方だとヴァイゼの人生に悔いが残っていたとも聞こえる。
オレはそうは思いたくない。ヴァイゼは自分の人生に満足したと信じたい

先生

最後の仕上げまで出来なかったってことに関しては満足はしてないと思うが、それでもアイツはお前にそこまで望んでたとは思えんな。
終わったら自分の人生楽しめって言ってくれるんじゃね?ヴァイゼならさ

勇者

……そう、ですね

先生

だからストーカーはやめなさい。犯罪だからね?

勇者

まだしてません

勇斗

……『まだ』…?

勇者

天のお世話をしたいと思ったのは大賢者様から話を聞いたというのも大きいですが、私の意志なので大賢者様がどう言っても変わらないです

アキ

いつから聞かされていたのですか?

勇者

物心ついたときには聞かされてましたね

勇斗

ヴァイゼ…

和真

錫さんの両親や祖父母も同じような感じなんですか?

勇者

天に親近感は持っていましたが、そこまでではないと思いますよ

勇斗

何でお前だけ…?

勇者

さあ?小さい頃から大賢者様のことは好きでしたし、そのせいですかね?

先生

その分多く勇斗くんのこと聞かされてたから…ってことか?

勇者

こっちの世界のことも沢山教えてもらいました。いつか行ってみたいって思ってましたし

先生

ホントに来ちゃったもんね…

勇者

魔物がいない異世界の話はどんなおとぎ話より面白かったですから

先生

魔物がいっぱいいる異世界の話はつまらん?

和真

剣と魔法のファンタジー世界の話って言ってくれたら面白いです

アキ

カズにする話は実話ですからね…

先生

ファンタジー扱いだけどな

和真

普通はファンタジーです

先生

お前もうちょい早く産まれてたら向こう出身だったんだぞ?

和真

……そしたら…父さんはどうしてたんですか…?

先生

ん?

アキ

……

和真

だって勇者だったんでしょ!?ボクを置いてこっちに来たんじゃないんですか!?

先生

……さぁ?どうだろうね?

和真

……

勇者

紅…

先生

お前がそう思うならそれでいいんじゃね?どう思おうが勝手だ

勇斗

先生!

先生

だけどな、そう思い込んでその思い込みをオレに押し付けようとすんな。不愉快だ

和真

なら!ハッキリ答えてください!!

先生

答える義務なんてない

和真

……

勇者

紅…相手は子供ですよ!?

先生

……そうだな。まだまだガキだ

和真

ボク…帰ります!

勇斗

追いかけます!

先生

いいよ別に

アキ

私が行くので大丈夫ですよ。帰宅はゆっくりで構いません

先生

おー

勇者

どういうつもりなんですか?

先生

親の愛情なんて子供にはなかなか伝わらんもんよ

勇者

……

勇斗

アキさん以上に喜んでましたよね

勇者

それなら…もっと素直になればいいんじゃないですか?

先生

オレもカズも男だってのにベタベタできるか

勇斗

照れ屋なところは変わりませんね

先生

乳児だったころアキを独り占めしてた恨みもちょっとあるw

勇者

……ねちっこい人なんですね…

先生

お前だって勇斗くんをみっちゃんに取られて何とも思わないほど大人じゃねーだろ?

勇者

紅の気持ち…よく分かります…

勇斗

みつを巻き込まないでください!

勇者

大丈夫です天!みつさんに対して悔しい気持ちはありますが、嫌がらせとかそういう大人気ないことはするつもりはまったくありません!

勇斗

当たり前だ

勇者

何かあれば私の元へ戻ってきてくださいね!

勇斗

お前のところへ行ったことなんて一度もない!

つづく

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