昨夜未明に突如街中へと飛来し、不時着した未確認飛行物体。
自衛隊や警官隊による厳重な警戒態勢の元、市民や我々報道陣が見守る中、調査は夜通し行われている模様です。
幸いな事に、今の所人的被害は出ていないようですが、あれは本当にUFOなのでしょうか?

っててて、朝っぱらから何だよ?

そうか……、確か昨日は帰ってきてソファで一杯やりながらテレビを……。

そうだ、
リア!!!!!

……依然、作業は難航している模様です。

……。

……。

あー……。

いい歳したおっさんが、なんつー夢を見てるんだよ、俺は……。

目が覚めるとそこはいつもの見慣れたアパートのリビング。
先程までの冒険が噓のようにいつも通りの日常が目の前には広がっていた。

よっぽど疲れてたって事だよなぁ……多分。

ん?火がないな。それに……、眼鏡も無くなってる。
無意識に昨晩、何処かへ置いたのか?

しかし、辺りを見回してもそれらしいものは見当たらないので、気分転換に窓を開けると外ではヘリの音がけたたましく鳴り響いている。

はぁー、折角の休日が踏んだりけったりだな。

空を見上げながら独りごちていると、ふと昨晩の夢を思い出返し、輝明はうわ言のように気になるワードを口にした。

リア、にバディ・システム……ねぇ。

バディ認証、これよりバディ・システムの一部凍結を解除します。

何だ、今の声は!?どこから!?

どこからともなく聞こえてきた声は、どうやらテレビの向こう側から聞こえてきたようにも感じた。
慌ててテレビの方へと見やる輝明。

あっ、今何らかの動きがあったようです!!
コクピット部分の装甲が、シャッターのように迫り上がって行きます!!
内部が見られるようになるんでしょうか!?

なんだ?

あっ、コックピット内部に人影がっ!!
少女です!!青髪の少女が中で横たわっています!!
眠っているのでしょうか!?

!?

輝明は報道の実況を聴き入ると、まるでその話に心当たりがあるかの如くテレビのモニターへと喰い付くように映像を目で追った。
そこにはつい先程まで長い時間を、その生死までをも幾度と無く共有した、とても良く見知っている青髪の少女が写し出されているではないか。

リア!?間違いない
、あれはリアだ!!

夢のなかで輝明をバディとし、異星を嫌という程一緒になって走り回ったたった一人の相棒の少女がそこには居た。
それは先程までの事が決して夢ではなく、紛れも無い現実であるという事の証明でもあった。

は、ははっ。あいつ……、本当に地球まで来ちまいやがった。
しかも、俺より先に着いてるってどういう事だよ?

まぁ、色々聴きたい事は山程あるが、とりあえず今回は俺が寝坊助を起こしてやる番、だよな?

先程の報道ヘリが近くを飛んでいるという事は、この映像の場所がここからそう遠くない場所にあると判断した輝明は、ソファにかけたままのヨレヨレのスーツを手に掛け、急いで外へと駈け出していくのであった。

なんてったって、あいつはたった一人の
『バディ(相棒)』だからな!!

...Happy ending

この壊れた世界を壊すのはアナタ ~最終章③~

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