皆様、はじめまして。
わたくしは、この物語内で行われるゲームの司会進行を務めさせていただきます『ジョーク』と申します。
以後、お見知りおきを。

さて、わたくしが何故この場にいるかと申しますと、少しばかりこのお話のご説明をしようと思いまして、そのためにこの場をお借りした次第にございます。

ではまず。
非常に訊きにくく馬鹿にしているのかと言いたい方もおられるかも知れませんが、皆様は【鬼ごっこ】というものをご存知でしょうか？

……はい、そうです。皆様方の解釈で間違いございません。ありがとうございます。

今回、皆様方にお送りするのは、その鬼ごっこをアレンジしたものにございます。
名前を出していいものか判りませんが、『リアル鬼ごっこ』のようなものと思っていただければ。

もちろん中身は別物でございます。単なる例の一つとして受け取って戴ければ。

さて、少し前置きが長くなってしまいました。
簡単に説明いたしますと、主人公である『黒谷陽炎』様と、その他九名で行われる『命を懸けた鬼ごっこ』が、この物語となります。

命を懸ける――つまりはデスゲームでございますね。最近……といっても流行は過ぎたのかもしれませんが、それに乗っかったと思っていただければ気が楽でございます。

ですが、当の本人たちはそうもいきません。何せ文字通り命懸けなのですから。

全員が命を懸けて、鬼から逃げる。捕まれば即『死』。果たして最終回まで生き残っているのは何人なのでしょうか。

――それでは、これより開演でございます。生死を懸けた彼らの雄姿を、しかとその目に焼き付けてくださいませ。