本作品を、全ての



『偉人転生キャラクターコンテスト』



参加イラストレータに捧ぐ





















































時は24XX年。




人類はその叡智により




現代では困難な様々な技術を




確立していた。














星間航行はリギルケンタウルス系まで




1日で到達できるようになった。

















地球外移住も行われるようになり




リギルケンタウルス系の惑星にコロニーを建設し




人類の30%はそこで生活するようになった。















クローン技術も飛躍的に革新した技術であり、




1対の遺伝子対からクローン人間を




創りだすまでに至っていた。










また、クローンの概念も




単なる複製を指すものではなくなっていた。














これらの技術革新の結果、




居住可能環境における人口の90%は




偉人のクローンで構成される事となった。












だが、その一方で偉人クローンは




別の問題も引き起こしていた。










クローンの本質は後天的な物で


決定される点が多い。








もちろん、クローンたちは


オリジナルの先天的な長所を


併せ持って生まれてくる。





だが、オリジナルの偉人達の


成し得た偉業というのは


オリジナルの生活環境に依存した


後天的要素で形成されたものが多い。






そして、クローン達の本質は


購入者の与える生活環境に委ねられていた。














…その結果…


購入者の理想と現実にギャップが発生し


オリジナルとかけ離れた人物像の


クローンとして成長。


期待されなくなったクローン達は


著しくモチベーションを落としていた。
















遠く離れた宇宙に










地球へと近づく1隻の宇宙船
















ミナミ

見えてきたわね…。
今回の反応はあの星の
第8コロニーね…。

ゼア

そうみたいだな。
ミナミは地球に来たことあったっけか?

ミナミ

ないない。
私、地球ってはじめてだから
ドキドキしちゃうなー!

ゼア

あんまりはしゃぐんじゃねーぞ、ミナミ。

ミナミ

大丈夫大丈夫、任せといて。











これは


1人の宇宙アイドル兼


クローンパトロールの少女と


1匹の猫型アンドロイドによる


クローン応援(おしおき?)物語である。





























登場!
ソウルパニッシャー
ミ・ナ・ミ!

























ー 第8コロニー「真neoTOKIO」 ー













大通りの歩道を


そそくさと小走りで行く


細身で長身の一人の男。





あばばばば…

今日中に全く終わる気がしねぇ…。

今日、納品日だよな?
俺、納品しに行ったんだよな?

なんで仕様が増えてんのさ!?

しかも『納期は変えない』!?

今日納品日だろーが!

だから長いプロジェクトは嫌なんだよー…
うぅぅ…

ミナミ

はい、おつかれクローン確保。

ん?

ミナミ

ミナミ、
これより応援(おしおき?)モードに
移行します。

ゼア

ゲオライトを無駄遣いするなよ、ミナミ?

ミナミ

まかせて!ゼア!

ゼア

ミナミのまかせては全く信用ならん。

ミナミ

チェンージ
パニッシュ!

ミナミ

パアァァ…

ゼア

消費ゲオライト:15

ミナミ

この世に疲れたクローンがいる限り!

ミナミ

たとえ地の果て水の中!
探して応援してみせます!

ミナミ

ソウルパニッシャー
ミナミ参上!

ミナミ

そこのやる気の起きない
疲れたクローン!
応援(おしおき?)の時間よ!

ミナミ

あれ、いない。


遠くの方には

走り去る男の影。

ミナミ

あ!

ゼア

ゲオライト…
無駄遣い…

……するなよ?

ミナミ

くぉらー!
まてー!このー!

ミナミ

ミナミブースト・オン♪

ゼア

消費ゲオライト:5

ミナミ

まってー♪

うあぁぁ変なのキタァー!

ミナミ

ダメクローンゲットだぜ!

ゼア

表現露骨になったな…

ひぃぃ
勘弁してつかぁさい…。
早く仕事に戻らないとヤバイんで…。

ミナミ

どうして逃げたの?

あ…いや…なんか
ブツブツひとり事言ってて
危なそうな人だなーと。

せっかく夢中だったから
邪魔しちゃいけないかなと…。

ミナミ

ミナミの魅力に気づけない
可愛いそうなクローンって
まだいるんですね。

ゼア

ミナミの場合は
魅力じゃなくて
迫力だな。

ミナミ

いいです!わかりました!
それも含めて魅了します!

うぅ…納期がヤバイんだよー…。
ほっといてくれよ…。

ミナミ

はい、じゃぁ照会照会…と。

ミナミ

ミナミ・スキャーン!

ゼア

消費ゲオライト:10

ミナミ

ピピピピ…

田川 隆《タガワ リュウ》

芥川龍之介の第6世代クローン。
購入者の生活環境より
後天的影響が強く
納期に追われる
ITエンジニアとして就業中。
だが、なんとかやり切るのがモットー。

先天的長所の文才は
始末書にのみ活かされている。
仕様書はくどくなりがち。

なんなんですか、あなたは。

ミナミ

キミのお仕事、大変なのね…。

ミナミ

上司の人も酷いよね!
『大丈夫です!任せて下さい!』
としかクライアントに言わないで
面倒全部あなたに丸投げなんて!

ゼア

その上司の口ぐせ、
誰かによく似てる気がするぞー

うぅぅ、嫌なこと思い出させるな…。

ミナミ

私にまかせて!
キミのこと応援してあげる!

ミナミ

ミルキーステージ・オン♪

ゼア

消費ゲオライト:30

うわ…、なんだ?
ここどこだ?
帰してくれよー!

ミナミ

みんなー!
今日はありがとー!

ミナミー!

ミ!ナ!ミー!

らぶりー!ミナミー!

ミナミ

ミナミ、とーっても楽しかったよー!

すごい迫力だ!
てか、誰だよこいつらー!

ミナミ

だけど、今日は次の曲で最後なの…。

ミナミ

…お別れするのはさびしいけど
…きっとまた会えるから!

ミナミ

それまでみんなを応援する
この曲を毎日聞いて
ミナミのこと思い出してねー!

ミナミ

それでは歌います。

ミナミ

『ド・レ・イ』

なんかドロドロした曲名だな…
本当に人を応援する歌なのか?

ミナミ

♪〜

…うっ…。
…こ…この歌声は…

ミナミ

♪〜♪〜

な、涙が…止まらない…

ミナミ

♪♪〜!

ミナミの歌を聞いていると
納期に追われていた自分が
小さく思えてくる…。

ミナミ

ほげぇ〜♪
♪♪♪〜〜〜!!!

サビで微妙に音程を外しているが…
それがまたいい…

ミナミ

♪〜!♪〜!
♪♪♪〜〜〜!!!

ラブリー♪
ラブリー♪
ミ!ナ!ミー!

ラブリー♪
ラブリー♪
ミ!ナ!ミー!

ラブリー♪
ラブリー♪
ミ!ナ!ミー!

ラブリー♪
ラブリー♪
ミ!ナ!ミー!

ゼア

獲得ゲオライト:30

ミナミ

みんなー!応援ありがとー!
ミナミもみんなの事、
だーいすきだよー!!!

ミナミ

ソーーーーーウル

ミナミ

パニーーーーーッシュ!

はぅっ!

ゼア

消費ゲオライト:120

……仕事なんて…もうどうでもいい。
クライアントもう関係ない!

今日から俺は、
ミナミちゃんの追っかけやるんだ!

I LOVE ミ・ナ・ミー!

ゼア

獲得ゲオライト:50

ゼア

今回のゲオライト収支
-100






こうしてまた1人




それなりに有能なクローンが




無能に生まれ変わるのであった。










ゼア

1人相手に全力出しすぎだ。

















登場!ソウルパニッシャー ミ・ナ・ミ!

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