前回までのあらすじ
山賊の襲撃や帽子屋の離脱を乗り越えて、一行はついにマッチ売りの少女が暮らす街へとたどり着いた。
雪にはしゃぐ兄。その影で、シロウがそっとアリスに耳打ちをしていた……
前回までのあらすじ
山賊の襲撃や帽子屋の離脱を乗り越えて、一行はついにマッチ売りの少女が暮らす街へとたどり着いた。
雪にはしゃぐ兄。その影で、シロウがそっとアリスに耳打ちをしていた……
雪だー!街だー!
ここがマッチ売りの少女がいる街かぁ。
綺麗な所だね
弟、雪合戦しよう!雪合戦!
はいはい。マッチを手に入れたらね
雪ではしゃぐなんて、
アニスはまだまだお子様だな~
あはは、アニス~!あんまり離れるとアニスか雪玉かわかんないよ
なんと!
危ないなぁ。
ほら兄さん、僕の肩に…
うむむ、
おかしな定位置が出来つつあるような
あーあ、アニスはなんだかんだオトートスにくっつけていいなぁ
僕たちももっとくっつきたいよねー。
あー!
なんだい、急に大きな声だして
ちょっとちょっと、アリス
なに?シロウ
ちょっと耳貸して、耳
なんだよぉ、突然……
この街のマッチ売りの少女の
ことなんだけどね…
んん?
……で、…好きで、……好きで…
このままだと…
ふ、ふむふむ……ふええ!
シロウ、それほんと!?
ほんとほんと!このままじゃオトートス、
絶対気に入られちゃうよ!
えええ……。でもマッチは必要だし…。
ど、どーしよー!?
アニスを……
……把握っ☆
でもアニスはどうしよう?
心配無用! もう一回魔法を掛ければ、あの姿に戻るんでしょ?この雪の中でなら、どうとでも連れ出せるって
そっか! よおし…
アニスー!
お、なんだアリス
この街でその格好じゃあ、いつ見失うかわからないしさ。街に入る前に一回魔法を解除してあげるよ
おお!本当か!?
まあ、無事にマッチを手に入れたら、また元に戻すけどね
なんでだよ!
目立つんだよぉ、異世界人ってさ。
また山賊とかきちゃいそうじゃない?
うう……
とにかくアリス、一回もとに戻してみてよ。アニスってどんな奴か気になる―!
よ~し、いくよぉ!ワンダーワンダー!
元の姿になぁ~れ☆
アリス、魔法ださいぞぉ……
久しぶりの姿!嬉しい!
兄さんは動きにくそうだったもんね
こ、これがアニスの本当の姿……
見直したか、シロウ!
そうだろうと思ってたけど、
やっぱりオトートスのがいいや
おまっ!
じゃあ、マッチ売りの少女を探しに
街にれっつごー!
この街は雪で覆われていて、ちょっと薄暗いからわかりにくいけど、表通りと裏通りに別れているんだ~
ほうほう
なので、僕らも二手に別れよう
じゃあ、兄さんは僕と……
オトートスは僕らと裏通りにいくのー!
え、兄一人で表通り?
この街の裏通りは暗いせいか、あんまり治安が良くないの…。でも、マッチ売りの少女はきっと裏通りにいるから……
だから、この世界に詳しい僕らが裏通りにいくべきなんだけど、でも…。二人だけじゃあこの間みたいに…
わ、わかったわかった。
弟、アリスたちを頼む
兄さんは?
兄は自慢じゃないがぼっちには慣れているのでな。任せておけ!
それほんとに自慢することじゃないね
案外寂しい子なのね、アニス
じゃあ、先に行く
あ、兄さん……行っちゃった
一人で行けって言ったから、
すねちゃったのかなぁ?
あとで二人で謝ろっか、アリス
そう、だね…
ううん、平気だと思う
オトートス?
そう、兄さんは…この子たちの気持ちを考えて先にいったんだよね。
ほんと、不器用なんだから……
アリスもシロウも、弟とデートがしたいのだ。でも、弟は兄を一番に心配してしまうから、彼らは面白くないのであろう。
いつかは、元の世界に戻る兄と弟だ。
弟には負担を掛けるが……
今はアリスやシロウと過ごす時間を大切にしてやってくれ、弟……
すまないな、アリス、シロウ。
兄は不器用だから、こんな風にしか恩返しが出来ないんだ。…ありがとうって思ってる
……それに、兄はぼっちには慣れているさ。
なあ、悪木、邪道、節垂さん、クマ田さん…会いたいな、皆に…
…じー
えっ!?
……じー
……溢れ出す既視感!?
消えた…。寂しさが見せた幻覚か…?しかしまるでワンダーランドのクマ田さん…。
と、とにかくマッチ売りの少女を…
きゃ!
っと…す、すまない。
よそ見をしていて…
……見知らぬ男の人…
怪我はないか?
兄がぼうっとしてしまって……
愛しております!
名も知らぬ見知らぬ方!
はっ!?
ああ、貴方様は運命の人ですわぁ…
うっとり……
目が…金マーク…
妹、目!目!
ああ、写真の中のお姉様!?
はっ、いけない!
こほん…
愛しております!
見知らぬお方!
ばっちぐーよ、可愛いわよ妹っ!
……うわぁ変な人たち
って写真が喋ってる!?
なによ、写真だって喋りますー。
だってここはワンダーランドだもん
あ、そう…
なんかもういいや…
はっ、そうだ!本来の目的を。その格好、君はもしかしてマッチ売りの少女ではないか?
はい、そうですわ。あなた!
貴方の妻となる女は、名をマチと申します
…かわいい子だけど何か危ない感じがする
ええっと、兄は『願いがかなうマッチ』
を探しているのだが…知っているだろうか?
まあ、それは我が家の家宝である大切なマッチの事ですわ。なぜそれをあなたが?
な、なんと!
まさかこうも簡単に見つかるとは…!
実は…
次回予告!
表通りで早速おかしなマッチ売りの少女と、彼女がもつアイテムを発見した兄!
一方そのころ弟たちは……
あの、その…
二人っきり…だね
シロウ…。
オトートス…
かえっちゃ、やだ…!
アリス…。
なんか、ラブコメをしているのであった…!
zzz
zzz
(↑休憩中)