―雌伏の小屋―

神託を受け、ソートクは目覚めた

ソートク

あの神官が言っていた通り、沢山の書類が来ていた

ソートク

羊皮紙でなく、全部紙で来るとはな……エルエット大教会は相当潤っているらしい

ソートク

来たものは、『勇者合格通知』と『認定書』

ソートク

この認定書が手形になるんだったな

ソートク

それに、『勇者の心得』に『教会機関の利用方法』か……

ソートク

これは要らないんじゃないか……?

ソートク

あとは『聖書』と『エルエット大教会入信の勧め』があるが……

ソートク

これを貰ってどうしろと?

ソートク

武器が貰えないのは、まあいい理解できる。教会側は聖職者たちだからな。おいそれと刃物を取り扱えないのだろう

ソートク

だが、実用品が無いというのはどういうことだろうか?

ソートク

まあ、あまり考えていても仕方ない

神託のことで思うことは一つだった。

顔を洗い、

朝食を食べ、

服を着替え、

荷物を用意する過程で、現状を再確認する。

ソートク

遂に勇者になれたわけだ。

ソートク

だが感慨深いかと問われれば、どうということも無くと答えるだろう

ソートク

勇者になるための拵えが無駄にならなかったことだけを喜べばよい

ソートク

問題は、これから何をすべきかということだ

ソートク

勇者という大きな観点で目的を図れば、魔物の根絶になるだろう。

ソートク

これはどの勇者も第一に考え、行動理念としているものだ

ソートク

だが

ソートク

だが、俺は、俺という観点で目的を定めておく必要がある

ソートク

その目的達成のために、向かう先は近隣の街

ソートク

訪れるべきは仲間を集められる酒場

ソートク

誘う仲間は、俺に賛同し、条件を満たす者

ソートク

俺の勇者に対する考えに賛同するものが果たして現れるか……

ソートク

いや、今は考えるな。問答や迷いは、己が道を振り返る時にすれば良い!!

ソートク

無心に進め!! 脇目も振らず!!

ソートク

心に刻むはまずはこの文字

美・少・女・ハ・ー・レ・ム

そして、ソートクは動き出す。

――……

3、 勇者 高らかに決意する

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