~魔王高校~
~魔王高校~
ちょっとぉ!やっつけてもやっつけても
キリが無いわよ!
んなこと言っても、兄はこの奥だ!
はぁ、なんて効率の悪い物量作戦
さすがに、297人は多いね…
ふはははは!どうしたどうした!
まだ150人は残っているぞ!
結構な速さで半分やられましたなー
言うな…
そこまでだ!
むっ!? なんだ!?
この声…
天知る地知る電車知る!
魔王高校297名、貴様らの悪事、この正義の味方が許すわけには行かない!
なんだと~、貴様!何者だ!?
正義の味方、トレインジャー!電車が止まる駅付近の悪事は、この私が許しはしない!
兄君を助けるために戦わせてもらう。とう!
やばいですよ魔王様!
あいつ強いっす!
ぐ、ぐぬぬぬ…まだ130人はいるわ!
あっという間に20人ですよぉ!?
弟君!
トレインジャー…
私の後ろを走れ! 敵陣に切り込み、
リーダーの魔王を倒すんだ!魔王への道は
私が切り拓く!
……ごめんね
電車の写真は検索も出来る。その姿は動画でも見れる。電車への感謝の声は、遠くから叫んでもきっと電車に聞こえる
…
でもね、友達は検索したって見つからない。動画で見たって温かくない。感謝の気持ちは、傍で言わなきゃ伝わたない。
それがし、大切な事に気づいたんでござる
…ありがとう。
でも口調、戻ってるよ
…でゅふ。
さあ、行こう!
よし!
む、何をする気だ奴ら!
二人をとめろ!
疾走!
トレイン・ラストラン!!
トレインジャーが駆ける。魔王高校の生徒達の壁を、その装甲で弾き飛ばし、ものともせずに駆け抜ける。魔王が城壁より指示を飛ばし、なんとか青い閃光を止めようと叫んだ。
その閃光の後ろに、4人が続く。
おお!
すげぇ速さで敵のど真ん中に!
突っ切っていくぜ!
続くわよ!
止めろ!あいつを止めるのだ皆の者!!
…よし、囲んだ!
体躯に恵まれた魔王高校の生徒が数人がかりでトレインジャーを止める。勢いの止まったトレインジャーと邪道たちを、生徒が囲んでいく。
だが、そこに弟の姿が無い事に、魔王高校の生徒は誰一人として気づいていない。
…引っかかったな
トレインジャーの言葉に、魔王が顔色を変えた。
なにぃ!?…な、弟がいない!?どこだ!
探せランプのおっさん!
ここだよ
後ろ!?いつの間に…
結構楽しかったけどね。
今度は誘拐とかしないで遊びにおいで
き、貴様…
そうか、あのトレインジャーとかいうやつを踏み台にしてここまで…
じゃあ、お仕置きの時間だよ
おのれ!くらえぃ!!
当たらないよ
てい!
ごっほおおおおお!?
一件落着、かな
トレインジャー、ありがとう
でも、良かったの?
聞いたぜ、電車見に行ってたんだろ?
今調べた。急げばまだ間に合うかもだ
…いや、それはもういい
良くないよ。
君にとって大事なことでしょ
皆で見に行きましょうよ
賛成!
うし、いくか!
み、皆……。ありがとう!行こう!
ホームが我らを呼んでいる!
おー!
…え、時間無いから兄は放置!?
お、弟ぉぉぉーーー!!
魔王様、しっかりしてください!
う、いででででで…魔人…あのさぁ
…お前どさくさに紛れて逃げてただろ?
ち、治療したじゃないですかー!
くっくっく、まあいい。ダメージの癒えた者が20人くらいはいるな。これで奴らを追撃するぞ!リベンジだ!
ま、魔王様!
正門からまた何かきます!
ええい、今度はなんだ!?
兄くーーーん!!
誰よあたしの兄君を誘拐なんざしたのは!?ぶっ殺す!殺す殺す殺す殺す殺す!
キシャーーー!ヤミ子ヤッチマエー!
…クマだ!
…刃物持ったヤンデレだ!
兄君!
今その悪い人をやっつけるから!
兄く―――ん!
今行くわぁぁぁ
く、来るなぁぁぁぁぁ!
なんか悲鳴が聞こえてきたのだが…
兄君!
兄くーん!
キシャーーー!
こ、この声は……
助けてぇぇぇ!
魔王高校編! 完!!