幼馴染

終わった~

園田

アイス食べにいこ~!

幼馴染

いいわね

オタノ

でゅふ

僕らも帰ろうか

オタノ

いくでござるよ

園田

ねえ、アイス食べにいくんだけど
一緒にこない?

オタノ

でゅふ?

うーん、今日は遠慮しておこうかな

オタノ

だそうでござる

幼馴染

そう、残念。
でも次は付き合いなさいよ

はいはい。いこっか

オタノ

15分発~、出発進行~

オタノ

…良かったでござるか?

姉さんに夕飯の準備を任せきりだからね

ちょっとは手伝わないと

オタノ

夜の蝶ならぬ夜のアシダカグモな
姉上でござるな

それは言わない…。ん?

じー

兄さん?

オタノ

…でゅふ

弟、少しいいか?

兄さん、今からオタノ君と帰るところだから、一緒に…って、あれ?

弟は一人で歩いていたが?

オタノ君、また空気を読んでくれたのか

いいよ。せっかくだから夕飯の手伝い、一緒にする?

少し、話したいんだ

話?…そうだなぁ

じゃあ、一駅歩こうか。いい天気だから、河原沿いはきっと気持ちいいよ

歩く

すっかり温かくなったね。
なあんて、おじさんくさいかなぁ

この間のテストはどうだった?
姉さんにまた怒られるよ?

……

今日の夕飯、どうする?

………

兄さん

お、弟

ちょっと 河川敷座ろうか?

あ、ああ

…で、どうしたの?

い、いや別に何もない

僕がさっきまで話していた内容は言える?

な、何か話していたのか!?

あ…

兄さん、どうしたんだい?

…うむ

上手く言える自信がないが、いいか?

うん

長くなっても、いいか?

まあ、いいよ

ボケとかオチとか無いけど、いいか?

聞かせてよ

数字取れない話だぞ!いいのか?

ぷっ

いいよ

…ありがとう

兄はな、弟

うん

最近弟が、めっきり遊んでくれなくなったことが、寂しい

兄さん、最近は教室に入ってこなくなったじゃないか

覗きには、行ってた

でもいつも、誰かと話していたから

そっか、それでこなかったんだね

遠くで見てたとか、兄さんらしいや

兄さん、僕もこの間兄さんが友達と歩いているのを見たよ

なんと!

修学旅行一緒にいったって人たちだよね。ちょっと派手だけど、優しそうな笑顔でいいなぁって思ったよ

クマが居たけど

クマが居るけど

あいつらは、良い奴らだ

兄は、仲良くなれて嬉しい

きっとね。ずうっと僕の所にきていたら、あんなに仲良くなれなかったんだと思う

っ!?

兄さんには、友達が増えた。
僕にも、友達が増えた

これっていいことだと思うんだ

…うん

でも、兄はな。やはり寂しい

友達は凄いんだ。
毎日が、前より綺麗な景色に見える。きっとあいつらのおかげなんだろう

でも、やっぱり
兄は弟と同じ景色を見たい

兄さん

友達にな、相談したんだ

相談?

兄弟なんて、これが普通なのか? って。
歳を重ねれば、こんなもんなのかって

確かに、僕らもちょっとは育ったもんね

うん

でもな、友達が教えてくれたんだ

心のスッピンって

…スッピン?

ああ、心をスッピンにするんだ。そうすると、常識だとか世間がどうとか、いらないものは落ちていくんだ

なるほど、それでスッピンか。
…いい友達だなぁ

そうするとな、見えてくるんだ。兄自身忘れていたような、どスッピンだ

シンプルだった。単純だった

弟、兄はこれからも弟と遊びたい

最初に戻ってるよ それ

そう。そうなんだ

でも、それが大切なんだ

周りの事とか、当たり前とか、
そんなメイクは落とすのだ

そして残ったこの『遊びたい』は、
兄の中でも、純粋なもので…

うん

うまく言えないけど、寂しいっ思う胸の中の気持ち。それよりも、もっともっと奥の方に、消える事無く ずっとある感情だ

兄は、弟と遊びたい

兄さん

…僕は、兄さんが修学旅行に行っている間に、兄さんと少し距離を置くことにした

っ!?

友達が出来たのなら、彼らを大切にして欲しかった

でもね

今わかった

兄さんは、すごい。友達を大切にしながらだって、僕とも遊べる

兄さんは、何かをするかわりに何かをおろそかにしたりしない。
全部全部大事に出来る人なんだ

浮わついて どっちも行ったり来たりにならないかって、心配だったけど

そんな心配、いらなかった

不安でさえも仲良くなる材料に出来ちゃう、そんな凄い人

弟…

少しだけ、嫉妬してた

え?

兄さんの、友達にね

僕のそんな嫌な感情まで消してしまう。
兄さん。 兄さんは、本当に凄い

・・・

僕はおかしな心配をして、兄さんと距離を置いてしまった

だけど、それでも……

これからも、僕と仲良く遊んでくれますか?

弟…

遊ぶ!遊ぶぞ!

二人で遊ぶ!

皆でも遊ぶ!

皆を紹介するぞ!悪木はな、ぶっきらぼうな癖に優しくてな、邪道はな、物知りで、兄の事沢山沢山心配してくれてな、それで…

いこっか、兄さん

帰りの間さ、
ずうっと兄さんの話を聞かせてよ

おう!

…家まで4駅かぁ

歩いちゃおっか?

ああ!

ヤミ子

じー

オワタ3号

イイハナシダナー

ヤミ子

でも、兄君はあたしのものよ…

ヤミ子

兄君、今迎えにいくわ!

トレインジャー

そこまでだ!

幼馴染

邪魔はさせないわよ!

オワタ3号

キシャーーー!?

ヤミ子

ぎいいいい! くやしいいいいい!!

僕も、友達に恵まれていたな

…ありがとう、皆

でな!節垂さんはな……!

兄さん

なんだ?

ありがとう




 長い間、男子会を読んで下さいました皆様へ。
心よりの感謝を。ありがとうございました!
 
緒方の次回作にも…

終わらないわよ!!
次回はあたしよーーー!!!

つづく!!

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